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ポイント:高齢者、パソコン普及、地元ポータルサイト、コンピュータリテラシー、らくらくパソコンe−なもくん

高齢者へむけてのパソコン普及 


 今、地元商工会主催の地元ポータルサイトの普及に関与させていただいている。普通はネックとなりうる、ポータルサイト事業を進めていく上でのリーダーシップやサイトの構築に関しての技術はまったく問題なく、きっとよいポータルサイトができると確信している。

 ただ、今回のポータルサイトに限ったことではないが、インターネットで情報を流す場合、どうしても個人のコンピュータリテラシーに差があるので、情報の恩恵を受けられる人と、残念ながら受けられない人がでてしまう。こんかいのポータルサイトは、公共的な要素も持ち得たいと思うので、余計にパソコンが苦手な高齢者層に、どのように普及されるかは大切な課題となる。

 そんなことを考えていたら、日経新聞にある記事が載っていた。


名古屋市は十五日、名古屋大学、中京大学、「ITエコサイクル推進機構(NPO)」などと組み、高齢者向けの安価なパソコン入門ソフト「らくらくパソコンe−なもくん」を開発したと発表した。インターネット閲覧と電子メール機能のみとし、画面上の文字が大きく、キーボードを使わずにマウスだけで操作できるのが特徴。十月から市内各区の生涯学習センターでソフトの講演会を実施する。 また、パソコンを持たない人には市内在住者に限定してリサイクル端末を料金1万円で無期限貸与し、パソコンのリサイクル強化にもつなげる。 (一部中略)

 とても、興味のある記事である。インターネット閲覧と電子メール機能なら、ウィンドウズなど今ではたいていのOSに無料で付属している。しかし、他のソフトも付属しているのが、高齢者の「パソコンは難しいもの」という意識に拍車をかけていると思う。つまり、記事中の「インターネット閲覧と電子メール機能「のみ」使える」という部分の「のみ」が重要なのである。ツーカーの出している、ツーカーSは「説明書のいらない携帯電話」のキャッチコピーで今でもよく売れている。うちの母も「携帯は難しいから」と、ツーカーSに変えてしまった。おそらく「らくらくパソコンe−なもくん」はこの層を狙ったソフトなのだと思う。

 おまけに、かなりパソコンは安くなったとは言え、それも使いこなせるか分からないものに10万〜20万の投資をするのは、勇気がいいる。その点、1万円でパソコンを無期限で借りられるのならば、「ちょっとやってみようかな」という気にもなると思う。使えなければやめればいいのである。このような取り組みはどんどん推進していってほしいと思う。パソコンを「難しいもの」「わずらわしいもの」と思わずに、パソコンを「新聞」や「雑誌」「電話」「テレビ」程度にとらえてもらえると苦手意識がなくなると思う。

 高齢者の方で、このコラムを読んでいる方は殆どいないと思うので、私もこういう取り組みのお手伝いが出来るように実際に動いて活動をしていきたいと思う。

2005年8月29日 宿澤直正


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