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ポイント:Web2.0、参加型、集合知、マッシュアップ、ロングテール、フォークソノミー

Web2.0の基礎知識


Web2.0的サービスは確実に増えている

 今更の表題ですが、Web2.0に関して、また整理しています。こういう最新テーマは時々自分のもっている情報をメンテナンスしないとアッと言う間に時代遅れになってしまいます。自分の頭をメンテナンスしていて、思ったことはWeb2.0的なサービスが確実に増えていると言うことです。

 今「Web2.0的」と表現しました。相変わらずですが、Web2.0は調べてても、輪郭がくっきりしないです。Web2.0は一言だと「ウェブの次世代概念の総称」と言えると思います。あくまで「概念」なのです。おまけに「総称」なのです。輪郭がつかめなくて当たり前だと思います。

 「Web2.0」のような言葉をバズワードというそうです。その意味は、最新の事情などを語るために使われる最新キーワードっぽい専門用語で、いかにもそれっぽく聞こえるけれども、使っている当人も実のところよくわかっていないという言葉だそうです。なんとなく、今の「Web2.0」を表わすにはピッタリのような気がします。

 私は、お恥ずかしながら、この「バズワード」という言葉を知りませんでした。確かに世の中を見回してみると、バズワード的な言葉って本当に多いですよね。でも最新の事情を、いかにもそれっぽく表現できるのは「才能」だと思います。バズワードで紹介された現象を考えてその本質は何かを考えることは、新しい価値を生み出していくことだと思います。

 話がそれてしまいましたが、Web2.0が「概念の総称ゆえによく輪郭がみえない」という話です。「よく輪郭がみえない」のですが、冒頭に述べたように、Web2.0的なサービスは確実に普及しています。

Web2.0のコンセプト

 これはオライリー氏による7つの定義で明確に表現されていますね。もう今更という感じがしますが、当サイトではまだ書いていないので紹介しておこうと思います。Web2.0に関して極めて普通に世間で語られている内容です。

 忘れてはいけないのは、Web2.0において、大切なのは技術そのものの変化ではなく、Webの進化が人間の行動を変えるということでです。

ユーザー視点のWeb2.0の法則

 Web2.0の最大の特徴は「ユーザ参加」だと考えています。では、ユーザ視点でWeb2.0を見てみましょう。

 まず、いつでもどこでも使えるということは、場所と時間さらに端末もお気に召すまま情報を扱えると言うことです。利用者が増えればそれだけネットの価値も上がり、環境の広がりがウェブビジネスの場を広げていると言えます。「ロングテール」「フォークソノミー」というWeb2.0でよく知られる現象も、ネット利用者の増大に支えられていると言えます。

 次の集合知ですが、「共有」による新しい価値創造と言えると思います。タグつけして情報を公開することによって、自分主体の分類であっても、他者との共有で、そこに新しい価値が生まれます。「フォークソノミー」と言う現象です。YouTubeを使われたことのある方は多いと思います。YouTubeでは、自分の動画にタグを付けて公開します。利用者はタグで整理された動画から、自分の見たい動画に関連のある動画を次々と探すことができます。

 「Web2.0はユーザ参加」とくどいほど言ってきました。まさしくCGMという言葉が一般化しつつある今、ネットパワーは企業からユーザー主体へ移動しています。多くの企業はトップページを重視し、そこから理想的なサイト巡回をユーザに求めます。しかし、情報を探すユーザの約4割は検索エンジンでお目当ての情報にたどり着いている事実を考えると、もはやトップページの重要性は薄れつつあると言えます。RSSや様々な検索サービスが登場している今、何よりも大切なのは「鮮度、ユニークさ、有益性といった情報の内容」、そして「新しい検索スタイルとの親和性」などになってきます。フットワークを軽く情報発信しているユーザにネットパワーが移動するのは同然の流れかもしれません。

 「ユーザにネットパワーが移動する」という状態を後押しする状況がもうひとつあります。それは、アフィリエイトに代表される趣味を収益につなげる手段が続々と登場しているということです。自分の購入した製品やサービスをブログに書く人が多いです。そしてネットにおけるクチコミの波及スピードはとても大きいです。その結果、先進的な企業はオピニオンリーダと言われるブロガーにコンタクトを取り始め、ブログにおけるパブリシティを検討を始めているようです。

 ネット上で売れ筋、死に筋をかまわず売る事でパレートの法則が成り立たなくなっています。これが「ロングテール」です。これまで死に筋と言われた商品が、様々な方法でネットで見つけることができ、そして売れるため、それを積み上げると大きな売上になります。Web2.0の考え方では、マーチャンダイジングの発想を変える必要がありそうです。「Web2.0での消費者の行動特性が変わっている」のだから当然の事と思います。

 後日、このWeb2.0的サービスによって「消費者の行動特性が変わっている」について、もう少し詳しく書いてみたいと思います。

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2006年09月04日 宿澤直正