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ポイント:企画書、提案書、コミュニケーションツール、企画テーマ、提案対象、提案相手、提案場面、提案フェーズ

企画書作成時にまず考えること


企画書作成時のTPO

 企画書・提案書とは、人を動かす、もしくは動いてもらうための道具です。つまり、人を動かす場合は「説得のため」の道具であり、人に動いてもらう場合は「納得してもらう」道具といえると思います。「説得のため」にはストーリが重視され、「納得してもらう」ためには図解が重視されます。ただし、人に影響を与えると言う意味ではどちらも似たような効果が期待され、ストーリ、図解が共に重要であるといってよいでしょう。

 企画書・提案書は人に影響を与えるコミュニケーションツールです。コミュニケーション時にはTPOが重視されます。コミュニケーションのTPOはTime(時間、タイミング)、Place(場所)、Occasion(場面)ですが、企画作成のTPOは「PowerPointでつくる企画書作法(中野明著)」によると、Theme(テーマ)、Person(相手)、Occasion(場面)だそうです。微妙に違いますが、意味するところは同じではないかと感じます。このTPOは企画書・提案書の作成時にまず考えなければならないことです。

企画テーマ(Theme)

 通常は「企画テーマ」を考えることからスタートしますね。この「企画テーマ」は企画のゴールにもなります。つまり、企画を考えるということはテーマを実現する(目標を達成する)ための道筋を考えることになります。

 目的地を決めずにどこか適当に出かける人は少ないと思います。「目的地のない旅」も素敵だと思いますが、ビジネスの場面にはそぐわないと思います。ビジネスで「人を動かそう」「人に動いてもらおう」と考えるのであれば、はやり共通の目標が必要です。それが「企画テーマ」です。

 また「企画を行う方」「企画を受ける方」で共通の目標が正しく認識し合えるように、工夫することが必要となります。それはテーマを実現するためのシナリオである企画書の中でお互いの認識を確認していくことになります。

 つまり、「企画テーマ」は企画のスタート、途中、ゴールのすべてのタイミングで企画の方向性や認識が関係者間でずれないようにする、羅針盤の役割をするのです。企画が迷走し始めた時に一度立ち戻るのもこの「企画テーマ」の大切な役割です。

提案対象(Person)

 誰に対して提案をするのか。これによって提案書の書き方はガラリと変わってきます。最近は企画を読む人が多様化してきているといわれています。それは世の中が複雑になってきて、何かを動かそうとした時にそれに関係する人が増えてきているからです。

 また、企画書というと他人に対して書くものと思っている方が多いのですが、自分に対しての企画書もあります。ビジネスをしていると、頭が混乱してきてどう動いたらよいのかわからなくなることが多々あります(私は本当によくあります)。そんなとき、頭の中を整理して、自分自身が納得して動けるようにするメモ書きもひとつの企画書といえます。

 このように多様化している提案対象はそれぞれ自分がもっとも必要とするポイントが異なります。例えばお金を出す人ならば収支に関しての部分、運営者ならば運用ルールの複雑さ、総責任者であれば全体の矛盾…などに関心が行きます。

 だれに対しての企画書なのかでアピールポイントが変わってくるのです。基本は同じで、相手によって何パターンか用意する場合もありますし、同じ企画書で強調して話す箇所を変える場合もあります。どちらにしても企画書を作成する場合は、対象の顔をイメージするとよいと思います。

提案場面(Occasion)

 提案場面も大切です。これは提案する場面そのものを意味する言葉でもありますが、私は提案フェーズという意味もあると考えています。提案場面は、打ち合わせなのか、上司への報告なのか、顧客へのプレゼンなのかさまざまな場面が想定できます。それによって企画書の書き方が変わってきます。提案フェーズに関しては、ファーストコンタクトなのか、それとも内容を詰める途中なのか、意思決定を求める場面なのか、によって変わってきます。提案フェーズも提案場面に含まれると考えてもよさそうですね。

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2007年06月25日 宿澤直正


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