ポイント:データがどのように経営を変えるのか、PDCAサイクル、継続させていく、データ活用,経営改善を客観的に評価
語りつくされたようなタイトルである。しかしお客さんから聞かれたこともあって、真剣に考えた。これは、ITコンサルにとって、これは永遠のテーマであり、常に考えていなければならない事である。もっと経験をつめば、もっといいアイデアが出てくるかもしれないが、現時点で自分はこう考えている。来年になったら、このコラムを見直して、考えが進歩しているか確認するためにも、書いておきたい。
そもそも、経営って何だろう? これもいろいろな定義がある。自分の考える経営とは、「PDCAサイクルをまわすことによって、会社をよりよい方向に継続させていくこと」である。異論・反論、沢山ありそうだが、自分はそう考えている。偉い人がいろいろ「経営とは」と定義を述べていると思う。自分の定義は重みも深みもぜんぜん足りないと思うが、他人を真似るよりは、自分で考えることが重要であると思う。もちろん他人から学ぶことは重要であることは分かっているので、誤解しないで頂きたい。
前置きが長くなったが、私はITコンサルを名乗っているので、データの切り口から経営を改善する必要がある。PDCAサイクルの中で、あくまで一例だが、下の図のように、データを活用している。
データを活用することによって経営成績を上げるのが、経営改善と言える。経営成績といえば、決算書である。決算書の中でも損益計算書がその期の経営成績を表しているので、それを題材に、もう少し具体的にサイクルをまわしてみたいと思う。
このサイクルの中の様々な部分にデータは活用されている。
・対前年比で原価が上がっているとわかること。
・その原因として、人件費が多いとわかること。
・どの部門、どの作業で工数がかかっているかわかること。
・工数増大の原因が分かったら、それを加味し経営計画をたてれること。
・工数増大の原因を排除した結果、損益計算書の改善がわかること。
・・・など、である。データは経営改善を客観的に評価するときに、大いに活躍していると思う。本当に基本的な事だが、どのデータが、どんな活躍をしてくれるのかを考えて、データベースを設計しないと、システムは作ったけど肝心なことが分からず、経営の意思決定に関して何の役にも立たなかった、という話はよく聞くので、今回、あえて基本に立ち返ったコラムを書かせていただいた。
ちなみに、この分析は、なにもコンピュータを使わなくても可能である。ただ、手作業では膨大な時間をつかってしまうであろう。つまり、データを活用した分析時間を短縮するための便利な道具がコンピュータであるといえる。
2005年5月30日 宿澤直正 記
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