関与先でのコンサルでしたが、ここ最近で地味に増えているなぁって相談があります。
取引先間や組織内での「認識違い」から起きる、プロジェクトでの問題はどうしたらなくせるのか?…というものです。
「認識違い」から起きるトラブルは、その原因の元をただすと意外とシンプルです。
打ち合わせなどのコミュニケーションにおける「記録」「説明」「合意」のどれか、もしくは複数が「無い」か「足りない」のです。
ITの案件では、その理由として「コスト削減のしわ寄せが、コミュニケーションコストに影響を与えている」とか「アジャイル開発におけるドキュメントの扱いを勘違いしている」とかがよくあります。
たとえば、システム開発やHP作成において、無意識なコスト削減からコミュニケーションコストを削っている場合は結構あります。
なぜならコミュニケーションにコストがかかるという意識が無く、そもそも工数見積りに入っていない場合が多いからです。
コミュニケーションにかかる工数はとは、例えば「打ち合わせ」「議事録作成」「議事録の確認」などです。
例えば「アジャイル開発」で、ドキュメント作成を簡略化することは間違っていないです。
しかし、それはドキュメントの体裁を整える、不要なドキュメントはなくす…などの本質に影響のない部分の簡略化です。
コミュニケーションの「記録」「説明」「合意」はやはり必要です。
最近は打合せのホワイトボードの共有、打合せ音声・動画を共有したりで済ましてしまう場合も多いようです。
それはあくまで「状況」の共有であって、「決定事項」の共有ではないです。
「状況」の共有に加えて、簡略化した1枚(紙、ホワイトボード)で「決定事項」を「記録」して、「説明」「合意」をすることは削れません。
そのためにもコミュニケーションコストは重要なコストなので、見積りにちゃんと入れて、「記録」「説明」「合意」を行いたいですね。
さもないと、互いの見る方向がずれたまま、いったいわないになり、互いの距離はどんどん離れていってしまいます。
それが「認識違い」から起きるトラブルなのだと思います。