名古屋市のIT企業向け「システム開発におけるレビュー技法」研修をZoomオンラインで行いました。
若いメンバーも多く、ディスカッションでは意見も活発に出て楽しかったです。
レビュー技法においての問題はよく二つがあげられます。
ひとつは「レビューに時間がかかりすぎること」、ひとつは「レビューしても軽い欠陥しかみつからないこと」です。
つまりは「効率化」と「品質向上」の2点が課題と言えます。
今回の研修では、余談としてですがレビュー技法における「効率化」と「品質向上」のChatGPTのプロンプトを紹介しました。
レビューの「効率化」にむけての文書の検証はChatGPTの得意技です。
前日の「ロジカルシンキング」にも通じますが、文章を論理的にチェックするプロンプトを紹介しました。
「以下の文章を【1】誤字脱字、【2】あいまいな指示語、【3】不適切な論理展開、【4】論理の飛躍の観点でチェックし校正してください。それぞれの観点を表形式にまとめてください。また修正箇所を理由を添えて教えてください。」というものです。
そして仕様書のPDFを指定すると、いわばレビューの第一段階が実施されで論理的に整えられた文書が作られます。
次はレビューの「品質向上」についてですが、これもChatGPTは得意で「システム特性によるチェック」を行います。
丁度、対象文書が「非機能要件」の仕様書でしたので、「以下の仕様書を【機能性】【信頼性】【使用性】【効率性】【保守性】【移植性】【障害抑制性】【効果性】【運用性】【技術要件】の観点で校正してください」と問いかけました。
この第二段階で、それぞれの視点でポイントを整理して、抜け・漏れが一目瞭然となりました。
システムによって必要なる「非機能要件」はまちまちですので、チェックの上でレビューを行うとより深いチェックになります。
コードレビューも得意なChatGPTはレビュー技法における「効率化」「品質向上」の救世主かもしれないと感じます。
ChatGPTを上手く使うには、その視点・観点を与えるチェックリストの整備が重要になると改めて思いました。
「効率化」と「品質向上」の2点にChatGPTは高いレベルで使えます。
ただ、やっぱり受講生が一生懸命にレビューの課題を抽出し、それをよりよくしようとして頭を捻る姿が尊かったです。
AIは一般論的チェックを行い、キレイに文書を整えるとこまでは得意分野と言えます。
しかし、その後のプロジェクトやシステムの特性に合わせての「決め細かい対策」は、はやり人しかできないものです。
一方で、ChatGPTが「効率化」してくれるおかげで、「決め細かい対策」の検討に時間をさけるようになるもの事実です。
このお互いの得意を合わせてのコラボレーションが、今後は仕事を進めるうえでキモです。
仕事を細分化し、AIの得意、人の得意を見極め分担し、それぞれの成果物を組み上げるスキルが重要です。