ある企業でのシステム管理者との打ち合わせでした。
盛岡でも同じような話が出ましたが、経営者の中にはITを理解しようとない人もいます。
中には「ITはお金を生まず、お金を食うだけ」と、システム担当者に言ってしまう経営者もゼロではありません。
お金を生む「企画」「営業」「製造」には関心が高いのですが、「IT」は無関心(理解を放棄)の場合があります。
ただし、システムが停止したとしたら…本業も停まってしまい会社への損害ははかり知れません。
そこで出てくるのは「システムは停まらないだろ。そのための担当者だろ」という理不尽な考えです。
「IT」への理解を放棄してしまった人が放つ最も悲しい言葉です。
システムは停まります。絶対に停まります。稼働率100%のシステムなんて夢の世界です。
ちなみにGoogleWorkspaceはSLAで稼働率99.9%以上を保証しています。
Microsoft365も、SLAで99.9%を保証しているようです。
99.9%というと凄い数字のようですが、逆にいうと0.1%は停止するかもしれないということです。
例えば月の0.1%を単純計算すると大体45分程度です
厳密にいうと、組織で使えなくなる人数も関係しますが、GoogleやMicrosoftでさえ、月に45分程度は「ダウンしても許してね」と言っているわけです。
Googleのような運用のプロでも、システムは停まるものなのです。
ただし、システム担当者は「稼働率」を少しでも上げるために日々試行錯誤をしています。
「動いていて当然」という気持ちが、その日々の試行錯誤への「感謝」の気持ちを忘れさせてしまいます。
別にシステム管理者の地位を特別に上げてくれといっているわけではありません。
経営者として理解を放棄せず、正しくその仕事の価値を認める(知ろうとする)努力が必要だと思います。
それだけで「一人情シス(社内に一人のシステム管理者)」の気持ちはかなり救われると感じます。
企業でのデジタル化推進には、「ITを知る」「業務を知る」も大切ですが、互いの「気持ちを知る」のも大切です。