ビジネスカウンセリングでしたが、最近何回かあった相談です。
「なかなか思うようにビジネスが進まない…」とのことでした。特に悩みは「人」だそうす。
思うように人に意図が伝わらず、思うように動いてくれない…とのことです。
この言葉から不穏な感じはありましたが、その後に続いた言葉で決定的になりました。
「こんなにしてあげているのに…」です。この言葉はとても危険な言葉です。
「してあげたのに…」は人を操作し、短期的な見返りに執着している場合にでることが多い言葉だからです。
当たり前ですが「人を操作する」と「人を動かす」は全く異なります。
どちらも相手は動くかもしれませんが、相手が動いた後で残る思いは雲泥の差です。
「人を操作する」なんて横暴なことはしない…と思うかもそれません。
ただ、無意識に「人を操作する」してしまっている人はおり、余裕がなくなったときにそれが出ます。
「人を操作する」とは、こちらの思い通りに動かざるを得ない状況に追い込むことです。
相手は動かざるを得ないので動きますが、やがて「しっくりこない」という気持ちに陥ります。
「人を操作する」とは一方向の伝達です。自分が「こうして欲しい」という方向に相手を誘導します。
誘導する武器ととして、伝え方、声の大きさ、立場、力関係…いろいろとあります。
一方の「人を動かす」は、相手の思いを汲んで自分の目指す着地点への導くことです。
それは相手が大切に思うことを理解したうえで、自分の大切に思うことも伝えながら着地点を探します。
「人を動かす」には一方向の伝達では無理です。
相手を理解するという方向、それを踏まえて伝えるという方向の双方向の伝達が必要です。
自分も時間がなくなったり、焦ったり、思い上がったりすると「人を操作する」ことをしているかもしれません。
相手の意を汲んで「人を動かす」ことができるよう、気を付けたいです。