午前中は豊浜商工会での専門家派遣、午後からは常滑商工会議所でのIT専門相談でした。
システム調達する際には、自社の要求を整理してベンダーに伝える…という流れを伝えました。

今回の支援先は「デジタル化は社員が幸せでなければ意味がない」とずっと言い続けている方です。
要求をピックアップしているときにいろいろなキーワードがでましたが、つまるところ唯一の要求が「社員を幸せにしたい」でした。

例えば「社員が馴染みやすい操作性にしたい」「ストレスのないレスポンス」「柔軟な業務へ対応できるシステム」などがキーワードででました。
しかし、それらはみな「社員の幸せ」という要求を要件に落とし込んだものでした。

すごくわかりやすいです。
要求の絞り込みや要件の仮定義で二者択一で迷ったら、どちらが「社員を幸せにできるか?」が基準だからです。

もちろん「幸せ」という言葉には、さまざまな価値観が反映されるので、個々で異なります。
それでも、システム調達自体が「目的」となって、陥るような落とし穴にははまりません。

システム調達だけではなく、さまざまな経営の意思決定の基準が「社員を幸せにできるか?」になっていました。
システム導入を行う立場からすると、柔軟な業務への対応は頭を悩ます要因になります。

ただ、個々の社員が自分の頭をひねり、自分で行動していくには、その行動を尊重する柔軟な業務への対応が大切になります。
大企業では難しいかもしれませんが、中小企業の場合は工夫次第で対応が可能です。

現に、会社の中では自由なディスカッション(会話)や、それを伝える道具(ホワイトボードなど)であふれています。
その既存の業務のやり方を極力変えずにデジタル化を行うのはこの会社のデジタル化方針です。

既存の業務は変わらなくても、ツールは知らない間にデジタル化し、蓄積されたデータがヒントをくれています。
「社員を幸せにしたい」が唯一の要求であるデジタル化は自分の癒しにもなっています。