ポイント:ネットワークがつながらない、ping、TCP/IP、パケット、LANカード、LANケーブル
「ネットワークがつながりません」という言葉はSE時代から恐怖の言葉として体に染み付いている。この他に「システムがたちあがりません」「データが消えました 」の3つを電話で聞いたときは、もう自宅に帰っていて気持ちよく飲んでいた酒が、水にかわってしまうほど驚き、そして悲しい。ただ、その中でも「ネットワークがつながりません」は、比較的調査箇所が明確であり、問題の切り分け、復旧がしやすいものである。
まず、ネットワークがつながらないときは、ハードウェアの問題か、ソフトウェアの問題かを切り分ける。その時に覚えておいてほしいコマンドが”ping (IPアドレス もしくはホスト名)”である。pingコマンドとは、TCP/IPのネットワークでパケットが接続先までとどいているかどうかを調べるために利用する。ちょっと難しい書き方をしたかもしれないが、相手のコンピュータに対して自分のコンピュータの「お〜い」という問いかけが届いているかを確認するものである。ちなみにpingとは潜水艦のソナー音らしい。
pingはWindowsの場合アクセサリのなかにある”MS-DOSプロンプト”や”コマンドプロンプト”でDOS窓(コマンドを入力し結果を見るウィンドウ)を立ち上げて使用する。
C:\Windows>ping 192.168.0.3
と入力すると物理的につながっていれば、以下のような画面結果が返ってくる。ちなみにpingは同じ調査を4回行う。
この結果ならば次のようなことが言える。
1.LANカードは正常である。
2.LANケーブルは切断されていない。
3.問いかけ先のコンピュータのLANも問題ない。
4.LANカードのドライバ(LANカードを動作させるソフト)は正常である。
つまり、現在の問題はハードウェア的には問題がなく、ソフトウェアの問題であると切り分けができたことになる。次にホスト名でpingしてみよう。
C:\Windows>ping yado-n03
これで以下のような画面であれば、DNSサーバ(IPアドレスをホスト名に変換してくれるサーバ)も問題がないといえる。
ところが、以下のような場合は、ハードウェア的に問題があると想定できる。
1.4回の調査のうち、数回が”Request Timed out.” になる。コンピュータの設定を変えていない限り、つい先日まで接続されていたコンピュータがネットワークにつながらなくなることは、めったにない。ネットワークを制御 していたソフトウェアが何らかの理由で壊れてしまったか、誰かが知らないうちに間違えてネットワーク設定を変えてしまったぐらいしか理由として考えられない 。つまり、pingを知っていれば、トラブルが起きたときに、問題の解決につながる情報が得られる可能性が非常に高いといえる。
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2004年10月18日 宿澤直正 記
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