ポイント:インターネットメール利用時のマナー、ビジネスマナー、双方向でのコミュニケーション、ファイル添付
インターネットを使用時には様々なマナーがある。これは客先との連絡や取引にインターネットを使用する場合は、一般のビジネスマナーと同様に重要である。一人の不注意、客先での不用意な発言により、顧客の信頼を失う可能性がある。このようなインターネット使用時のマナーについて講習依頼が入ることがある。このような企業はIT活用に関して意識が高いといえると思う。インターネットのマナーについては財団法人インターネット協会がいろいろ協議しており、非常に参考になる。その中で重要な箇所を抜粋・加筆して記載したいと思う。今回はいろいろなインターネット利用から最も頻度が高いと思われる、電子メールのマナーについて考えてみたい。
電子メールはWWWと並んでインターネット利用では頻度の高いサービスである。2つの中では参照が中心のWWWよりも、双方向でのコミュニケーションが発生する電子メールでのトラブルは多い。電子メールのセキュリティはそれほど高くない。たくさんのネットワークを経由して届けられることから、配達の途中で紛失したり覗かれたりする危険もも十分に考えられる。
すぐに配達される電子メールは会話のように気軽に楽しむことができるが、顔の表情や声の調子が一緒に伝わる会話と違って文字だけによる通信なので、メッセージがどのように相手に受け取られるかには十分に注意しなければならない。原則的には書面による通信と同じく慎重な心遣いを大切にするべきでである。人を不愉快にさせるような話や言葉遣いは慎む。
電子メールが届いているかどうか定期的に確認する習慣を持つ。メールボックス内にあるメールの容量がインターネット・プロバイダ等の管理者から割り当てられたメールボックスの容量を超えると、メールボックスがあふれて電子メールが受け取れなくなる。
インターネットでやり取りする文章は、読みやすさに配慮してまとめる。コンピュータの表示は、字と字の詰め方、行間の取り方が自由にならないことから、書面にくらべて読みづらくなる傾向がある。段落ごとに一行空けたり、きりのよいところで改行したりするなどして、読みやすくする工夫をした方がよい。本文は、短く簡潔であるよう心がけ、要点を一つに絞って書く。
電子メールの末尾には発信者の名前と連絡先を簡潔に書き添える。これをインターネットの世界では署名(シグネチュア)という。また署名は情報を吟味して、極力簡潔にまとめる。毎回、くどくて長い署名がつけられていると、相手は不快に思うこともある。
電子メールの題名(タイトル、サブジェクト)は、その内容が一目でわかるような簡潔なものにするよう心がける。メールの内容が長文であるような場合には、そのことを断っておく方が親切である。
インターネットには多種多様なコンピュータが接続されており、文字コードの割り当て方にも色々な種類がある。ローマ数字を1字にデザインした文字や、マルつき数字(輪のなかにアラビア数字が配置されている文字)など、よく見かける記号のなかにも機種によって互換性がないものがある。
また、いわゆる半角のカタカナは、UNIX系の機種では表示されないだけでなく、インターネット上の他のコンピュータを誤作動させる可能性があるので、使用してはいけない。
メールソフトの中にはHTML形式の電子メールを送る機能を持つものがあるが、相手がHTML形式の電子メールに対応しているとは限らない。
宛先のメールアドレスを確認してから送信ボタンを押す習慣をつける。電子メールに返事を出す場合、ほとんどのメールソフトはボタン一つで宛先が入力される仕組みになってる。このとき、カーボンコピー(cc:)に注意して、返事をする必要がない人に返事が届くことのないようにする。
カーボンコピー(cc:)の送信先は、宛先(to:)に届いた電子メールに表示されるので注意が必要である。宛先に知らせることが適当でない場合は、ブラインド・カーボンコピー(bcc:)を利用する。
自分が送信しようとしている電子メールの容量に注意を払う。容量の大きなメッセージや添付ファイルは、宛先のコンピュータシステムや途中経由するインターネットサーバの故障を誘発する可能性がある。送信しようとしているメッセージや添付ファイルの容量が大きいと思うときは、相手先に確認してから送信する。
当然であるが、ウィルスに感染したファイルを添付するのは、相手に多大な損害を与えるので絶対に行ってはいけない。
「不幸の手紙」のように、はっきりと相手を特定しないで伝言を求める電子メールを「チェーンメール」と呼ぶ。チェーンメールはネットワークに負担を強いることから、たとえそれが親切のつもりであってもしてはいけない。
電子メールは、ネットワーク上のいくつものコンピュータを経由して相手に届く。封をしない手紙と同様に、クレジットカードの番号やパスワードなど他人に知られてはいけない情報はもちろん、秘密にしておきたいことは書かないようにするのが賢明である。簡単に見られては困る場合には、通信文を暗号化するなどの自衛手段をとるべきである。
あなたが送信した電子メールに対して、すぐに返事がこないからといっていらいらしてはいけない。相手に事情があって、返事をするのが遅れているのかもしれないからだ。いくつものネットワークを経由するインターネットでは、配達の途中で事故があって電子メールが相手に届いていないことも間がえられる。
重要な内容の電子メールを受け取ったらすぐに、受け取ったことを知らせる電子メールを返信しておくとよい。
不愉快な内容の電子メールを受け取ったら、相手にしないようにする。また、挑発的な言葉を投げかけられても応じない。常に冷静に対応するように心がける。
電子メールの内容を他の場所に転載したりすると著作権の侵害にあたる場合がある。受け取った電子メールを転送したり転載したりする場合には、本人に連絡して承諾を得る方が良い。私信である電子メールをホームページなどの公開された場所に掲載するときは、ことさら慎重に取り扱うべきである。
参考文献
「インターネットを利用する方のためのルール&マナー集(財団法人インターネット協会)」
関連コラム
インターネット掲示板利用時のマナー 2004年11月29日記述
インターネットメール利用時のマナー 2004年11月15日記述
2004年11月15日 宿澤直正 記
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