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ポイント:IT投資促進税制について、IT投資の計画、税額控除、特別償却

IT投資促進税制について


 お客さまより、IT投資促進税制に関しての質問があった。今後、ITに関して投資を考えている企業は検討をしてみるとよいと思う。その際は、今後の情報化戦略とマッチングさせてIT投資の計画を立てることが重要である。ちなみに、適用期間は平成18年3月31日までである。

 ただ、IT投資促進税制を意識しなくとも、情報化戦略を立案、計画し、およびその明示は必要だと考える。その機会として、IT投資促進税制を考えてみてはどうだろうか。

 

 

IT投資促進税制とは


 全ての企業(青色申告企業)が行う自社利用のIT投資に対して、10%の税額控除と取得資産の50%の特別償却の選択を認める制度である。企業のITネットワーク投資に対して、ハード・ソフト両面から税制支援を行うことによりIT投資を促進し、企業の経営革新、競争力強化を図るために創設される国の制度。
 サーバやパソコンなどのハードウェアおよび、ソフトウェアの投資に対して10%の税額控除、もしくは50%の特別償却のどちらかが選択できる。また、税額除額は当期の法人税額の20%が限度であるが、控除限度超過額については、1年間の繰越が認められる。
 

IT投資促進税制のポイント


 1.中小企業から大企業まで、すべての企業・業種を対象とする。
 2.ソフトウェアが対象とされ、ハードの対象機器も拡大された。
 3.従来の投資減税と比べ、内容が大幅に拡充された。
 4.資本金3億円以下の企業は、リースも税額控除の対象とされた。
 5.税額控除、特別償却を企業が自由に選択できることとされた 。
 

特別償却と税額控除の違い


 特別償却というのは、一定の固定資産を購入した場合、通常の減価償却とは別枠で初年度に取得価格の一定割合を損金に算入できる制度。ただし、特別償却は2年目以降の減価償却費を1年目に先取りしているだけなので、特別償却をすると2年目以降の償却費が減ってしまうことに注意する。つまり、当年度の課税が次年度以降に繰り延べられているだけと考えればよい。
 税額控除は、税額を算出した後に算出税額から投資額の一定割合を控除する制度。減価償却は通常の減価償却だけをずっと行っていくので、2年目以降も償却費が減ることはなく、純粋に減税になる。
 選択の基準としては、黒字会社は税額控除、赤字会社は特別償却を選択するのがよいと考える。その理由は単純に、赤字企業には控除する税額がないからである。
 

対象企業と設備


 対象企業は青色申告を提出する法人又は個人で、事業活動を行うものに限る。
 対象設備設備は9種類である。但し詳細に関してはご注意が必要なので税務署に確認のこと。
 @電子計算機及び附属設備
 Aデジタル複写機及び附属設備
 Bファクシミリ及び附属設備
 CICカード利用設備及び附属設備
 Dデジタル放送受信設備
 Eインターネット電話設備及び附属設備
 Fルーター又はスイッチ及び附属設備
 Gデジタル回線接続装置
 Hソフトウエア
 

特例を受けるための条件(取得の場合)


 設備の取得価額要件は、資本金の規模とハード・ソフトの別によって分けられる。
 ●資本金3億円超の場合:ハード、ソフトともに600万円以上
 ●資本金3億円以下の場合:ハード140万円以上、ソフト70万円以上
 例)取得価額が200万円の場合。
   税額控除 200万円×10%=20万円
   特別償却 200万円×50%=100万円
 

特例を受けるための条件(リースの場合)


 リース契約期間4年以上、かつリース資産の耐用年数を超えないことが条件です。
 ●ハードウェア:リース費用総額200万円以上 
 ●ソフトウェア:リース費用総額100万円以上
 ※リース費用総額の60%相当額に対する10%の税額控除を適用
 注)税務上の留意点として、事業年度末までに購入またはリース契約の実行をしただけでは認められない。あくまで「稼働」することが要件となる。
 

対象要件


 ・適用期間 平成15年1月1日〜平成18年3月31日まで。
 ・申請は対象設備の証明書等は必要なし。
 ・事業年度ごとでハード・ソフト別々の要件となる。
 ・対象機器要件は以下のようになる。
  ●PCはメモリ256メガバイト以上が対象となる。PCはIT投資促進税制が確実に対象となる256メガバイト以上の本体を選択する。
  ●サーバは128メガバイト以上が対象である。
  ●プリンタ等周辺は本体と「同時に設置する付属」の商品が対象なので。本体と同時購入、同時設置での購入を勧める。
  ●ソフトウェアとして税会計上、無形固定資産に計上されるものであれば対象になる。ただし、販売用ソフトウェア、研究開発用のソフトウェアは対象外である。

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2004年11月22日 宿澤直正


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