ポイント:人材投資促進税制とは、IT投資促進税制、法人税額から控除、人材教育、人材育成
今年度の3月末までに国会で決定する見通しの「人材育成促進税制」に、IT業界を始め各業界からのからの注目度が高まっている。何といっても経営資源のなかでヒトは最も重要である。他の経営資源は、ヒトを活かすための材料であるといっても過言ではない。私はITを中心にコンサル活動を行っているが、ITの問題で企業に呼ばれたとしても、それは単なる技術的な問題で、結局は組織や人材の意識向上へのコンサルになることが多い。事実、この部分を省いて、技術的なITの提案を行っても効果は出ないことを十分体験したし、理解もした。
重要である人材の育成に関して、「人材投資促進税制」なるものが国会でほぼ決定する見通しとなった。これまでも、「IT投資促進税制」を初めとして、様々な中小企業施策があったが、一部を除き、ハードウェア投資の税制の特例が中心であったと思う。「人材投資促進税制」はハードウェアを使いこなす人材への投資で、非常にいろいろな場面で使えるのでないのかという期待を寄せている。
基本的な内容は、企業が年間教育訓練費を基準値(前の2事業年度の平均額)よりも増やした場合、その増額分の25%を法人税額から控除するというものである。例えば
企業が教育訓練費を200万円増加させた場合、増加額200万円の25%に当たる50万円が、法人税額から控除される。
教育訓練費には…
@講師や指導員に支払う料金
A教材費
B研修のための設備料
などが含まれる。特にIT業界では、教育投資の額が売上高の1%と言われているほど、労働集約的な業界である。そのIT業界にとって、「状況を好転させる追い風だ」と期待を寄せる。
人材育成促進税制は2つの使い方があると考える。1つは本来の狙いである、自社の人材育成を促進させること。もうひとつは、企業に対する人材教育をひとつの事業の柱にしている事業者にとって、人材教育が企業にとって必要であるとことを訴えるときのツールともなりうると考える。台所事情の苦しい中小企業にとっては必要と感じながらも人材育成投資をためらう場合がある。企業にとって絶対必要である人材教育を行うためのひとつのきっかけになるといいと考える。
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