ポイント:OpenOffice、Microsoft Office、プレインストール、Linux、互換、オープンソース
「Microsoft OfficeとOpenOffice.org、どちらを選ぶべきか」というコラムが以前ネットに載っていた。どこのURLか忘れてしまったので、そのURLを公開できないのは残念だが、非常に興味をもって読ませていただいた。
よく、Microsoft Officeは有料、OpenOffice.orgは無料と簡単に語られる事が多い。ただIT投資を考える場合、単に投資額が多いか少ないかで、判断をする人は少ないと思う。IT投資をした場合、そこからどれだけのリターンを得られるか検討して、IT投資の額とリターンの予測額を比較して決めるのが普通であると思う。
Microsoft Officeは当然、有料である。最も高い製品は5万円を超える。そしてそれが最大2台までしかインストールできないので、台数が増えれば膨大なIT投資になってしまう。ところが、日本では、Microsoft Officeのシェアは圧倒的に高い。他のOffice製品と言うと、ジャストシステムかロータスぐらいだろうか? やはり、Microsoft Officeシェアの高さは他のOfficeにとって、固定ファンはいるものの、新規顧客獲得の最大の障害になっている。みんなでファイルを共有するためには、やはりみんなが使っているソフトを使うのがよいと、Microsoft Officeに決めてしまう。プレインストールされているマシンが依然として多いのもMicrosoft Officeのシェア拡大の一因になっている。Microsoft Officeが悪いソフトと言っているのではない。ただ、検討せずに決めてしまうのはどうかと思うのだ。
私は、OpenOffice.orgを使用している。Microsoft Officeとの互換性を売りにしているためか、私には、それほど目新しい機能は見当たらない。OpenOffice.orgは無料で使うことが出来る。ただ「無料で使うことが出来る」と言っても、Microsoft Officeになれてしまった人にとっては、新しい勉強が必要だし、既存のMicrosoft Officeファイル資産の有効活用はどうしたらいいのか、というテーマも残る。そのテーマのクリアのためには、当然コストがかかる。無料で使えるが、トータルで考えると無料ではないのだ。
一時期、LinuxがWindowsにとって変わるだろう、と言われた時期があった。確かにシェアは伸ばしているが、思ったほどには伸びていない。IT投資にそれほど金をかけられない中小企業にLinuxは最適と言われていた。しかし、実際の現場では、Linuxを新たに勉強しなければならない負担が大きく、サーバー管理者として選任をおくことが難しい中小企業では、Linuxの負担は予想以上に大きかった。むしろ選任のサーバー管理者がおけたり、サーバー管理をアウトソースできる大企業でLinuxが浸透しつつあるようだ。
話がそれてしまったが、「Microsoft OfficeとOpenOffice.org、どちらを選ぶべきか」に決定的な回答はない。それぞれの企業がおかれた状況によっての回答があるのである。ただ、ここで私の使用例を話しておきたい。先にも書いたが、私は、OpenOffice.orgを使用している。私の事務所では、今、5台のパソコンが動いている。そのうちの2台はMicrosoft Officeが入っており、残りの3台にはOpenOffice.orgが入っている。事務所を立ち上げたばかりの今、5台分のMicrosoft Officeを購入するのは厳しいが、Office製品が何も入っていないマシンが存在するのも厳しい。そんな時に、OpenOffice.orgを使用している。完全に両者は互換しているわけではないが、ほぼ互換は保たれていると言ってよいレベルである。そのため、OpenOffice.orgをかなり重宝している。
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2005年5月9日 宿澤直正 記
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