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ポイント:ハイパーリンク、試行錯誤、道草、コピペ思考

ハイパーリンクを離れてゆっくり探してみる


旅って移動が楽しい

 変なタイトルですね。少し前ですが、「どこでもドアって必要なの?」という討論番組をNHKでやっていました。「自由にどこにでも行ける」「移動に時間がかからない」「すぐに行動にうつせる」等の賛成意見が多かった気がしました。私も今は全く時間が無い状態で、徹夜も当たり前です。「どこでもドアがあったら、どんなに時間短縮が出来るだろう」と思っていました。ところが、出演者のあるヒトがこんなことを言いました。「でも、旅って移動が楽しいじゃない」

 「なるほど!」と思いました。いきなり目的地についてしまうのではなく、その途中で見たり聞いたりしたことが旅の思い出になります。最近はネットで記事を読んでいると、言葉にハイパーリンクがついていることが増えてきました。わからない言葉にハイパーリンクがついていると、クリックして言葉の意味を知ることができます。そして元の位置に戻ってきて、そのまま続きを読んでいくのです。

 本や新聞を読んでいると分からない言葉によく出会います。その時にもちろんハイパーリンクなどはありません。自分で辞書や他の文献を探して意味を知る努力をします。その際の試行錯誤で得た様々な知識は、その場では不要かもしれませんが、後々にかならず役に立ちます。

試行錯誤を楽しむ

 「旅って移動が楽しい」という言葉からいろいろと発想しましたが、今の時代、のんびり移動していられない時もあります。ビジネスではスピード勝負になることが多いためです。ですから、ハイパーリンクのような便利な機能はとても重宝されます。

 ただ「急がなくていいときはゆっくり試行錯誤」するのが大事なのかなと思います。ハイパーリンクばかりに頼っていると、「探す過程の大切さ」を亡くしてしまうのではないかという恐怖を感じます。ハイパーリンクで用意された道筋は素早く通れるけど、ハイパーリンクが切れている場合、とたんに立ち止まってしまう・・・。これは怖いです。

 「移動自体を楽しむ」ことをしたり、「移動時間でできることを工夫」をしたり・・・。昔なら当たり前のようにしていたことを、少し忘れている気がします。以前に「コピペ思考」のコラムに似たようなことを書きましたが、便利になって忘れてしまった大切なことを思いだすようにしたいです。あまり、コラム的な内容ではありませんが、ふと思ったので書かせて頂きました。

ぼくを探しに

 「ぼくを探しに」と言う本があります。ネタバレになりますので、これから読もうというヒトはこれより先は読まないで下さい。

 昔、ゲームにあったパックマン(もう今は知らないヒトがほとんどかな・・・)のような生き物が主人公です。この主人公は体の一部がパックマンの口のように欠けているので、真っ直ぐ転がれません。

 自分の欠けた部分を見つけたい主人公は自分の欠片を探して旅をします。ただ真っ直ぐ転がれないのでとてもゆっくりです。途中、虫と話したり、歌を歌ったり、壁にぶつかって軌道修正したり・・・。そして、ある日、自分にピッタリの欠片を見つけます。欠片を当てはめると真っ直ぐ転がれます。ただ、真っ直ぐ転がるのでとても速く、虫と話すことも、歌を歌うこともできません。結局、欠片をおいて、またゆっくり転がっていくというお話です。

 ストーリを書きましたが、絵がとてもかわいい絵本なので是非読んでみてください。特に人生を急いでいる方にお勧めです。(私も含めてですが・・・)

関連コラム
ハイパーリンクを離れてゆっくり探してみる 2007年09月17日記述
コピペ思考について考える 2007年04月30日記述
簡単・便利になる事の弊害 2005年10月31日記述

2007年09月17日 宿澤直正


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