業務フローによる業務改善でのエピソード
ポイント:業務フロー、業務改善、エピソード、事例
お客さんと一緒に業務フローを書いて、業務の見直しをするコンサル場面が増えています。
この場面で効果を出す条件は、複数人が参加すること、社内の旗ふり役が必要ということだと感じています。
実際のコンサル場面でのエピソードを交えて、効果を考えてみたいと思います。
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(1)え? ここで私項目のチェックしていますよ
何人かで業務フローを書くことは、業務の見える化をみんなの業務を重ね合わせるように見えるようにすることです。
これまで「自分の仕事」と認識していたフローを、各人で積み重ねていくのです。
すると「自分の仕事」から「みんなの仕事」に変わっていきます。
そこでこんな声が上がりました。
「え? 私はここで項目のチェックしていますよ」という声、そして別人から「え? 私もここで項目のチェックしていますよ」 という声。
各人の作業を積み重ねることで、重複とか、ぽっかり空いた穴が見えてくるのです。
(2)なぜこの売上一覧表を作っているの?
「ずっと思っていたけど、なぜこの一覧表をつくっているの?」という素朴な疑問の声が上がりました。
その一覧表は、作成されるとキングファイルにしまわれ、それ以降は一度も陽を見ることはありません。
その担当者に「なぜ?このフローを作っているの?」と確認したところ、「先輩からの引継ぎで作るように言われました」とのこと。
このように作業の引継ぎだけが、その意味を考えることなく引き継がれることがあります。
どうやら以前はあるお客さんに頼まれて作成していた一覧表らしいのです。
しかし、そのお客さんでは不要になった一覧表を「無意味なき引継ぎ」という形でずっと続けていたようです。
正直って、使った成果物がその先使われないければ、その成果物は不要である可能性が高いです。
(3) 伝えることはちゃんと口頭で伝えている
業務フローを作成していると、組織のレーンをまたぐ場面(組織から組織への情報の伝達すること)があります。
レーンをまたぐということは組織間で情報の流れが発生します。
つまりは、だれからだれにどんな媒体をつかって情報を渡すというルールが明確であれば問題ありません。
ところが、先日あったのは「え!伝えることはちゃんと口頭で伝えているよ!」という声です。
それでは記録が残らないし、言った言わない世界になります。
「報連相」という基本中の基本からみても危険な部分ですね。
(4)あたらめてAさん、長生きしてね(違うだろ…)
業務フローを書いていて、「 あたらめてAさん、長生きしてね !」という声がありました。
業務フローで見える化したところ、Aさんの判断力(属人的な)が業務のキーポイントなのです。
「 Aさん、長生きしてね !」 というのは、一見Aさんを想っての言葉のように聞こえます。
しかし、その本質はAさんがいないと業務が回らないことを業務フローが強く見せつけたのでした。
これは、本当に大切なのはAさんの属人化している部分の「見える化」です。
「 Aさん、長生きしてね !」ではないのです。
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業務フローによる業務改善でのエピソード 2017年09月17日記述
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2017年09月17日 宿澤直正 記