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ポイント:業務フローのメリット、業務プロセス、見える化、組織にかかった霧、モチベーション、「方法指示」と「発動指示」

業務フロー作成のススメ(2)〜業務フロー作成の狙い(前編)


業務フローは何のために作成するのか

1/6のコラム「業務フロー作成のススメ(1)〜業務フローは何のために作成する」では業務フローを作成するメリットについて考えてみました。 そもそも、業務フローは「業務プロセスの見える化(可視化)」を行うために作成します。 「見える化」を行い自分達の業務を俯瞰的にみることが可能となることは…

業務を改善する、業務マニュアルを作成する、アウトソーシングの作業範囲の確認を行う、新人や異動した社員に業務習得の教材となる等…様々なことが考えられます。

今回はもう少し突っ込んで業務フローを作成するメリットを考えてみたいと思います。 全部で五つありますので、2回に分けて考えてみたいと思います。

仕事の流れを大きくつかむことができる(その1)

まず一つ目ですが、業務フローを作成するメリットとしてあげたいのは、「仕事の流れを大きくつかむことができる」です。

これは「組織にかかった霧」をなくす「見える化」のメリットと類似します。 人が仕事や作業を行うとき、必要な情報が見えないと霧がかかったような状態になり近視眼的な仕事のやり方に陥ってしまいます。 そこに自分の工夫をいれられる要素は減っていき、言われたことをただ淡々とこなす様になっていきます。

これは組織にとっても、そこにいる人にとっても不幸です。 本来、多くの人は大きなポテンシャルを秘めていると信じています。 しかし、必要な情報が見えないことで能力が発揮できないと、モチベーションにも影響を及ぼします。

各業務の担当者にとっても、仕事全体の流れを理解した上で自身の担当業務に関わることで、全体として目指すゴールに沿った仕事の工夫や進め方ができるようになります。

つまり、自分の関係する「仕事の流れを大きくつかむことができる」と、目の前の霧が晴れて、一段高い視点で、自分の仕事を工夫をすることができるようになります。 これは、個人モチベーションを刺激し、組織のパフォーマンスを上げることにつながります。

「仕事の流れを大きくつかむことができる」情報を提供するのに適したツールのひとつが業務フローだと言えます。

仕事の手順が理解できる(その2)

新人や異動してきたばかりの人にとって、仕事の「手順」が可視化されていると業務の習得がしやすくなります。 ここで考えておきたいのは「方法指示」と「発動指示」の関係です。

たとえばトラブルが発生したとします。

「方法指示」とはトラブル発生前にトラブルが起きたらその手順を確認しておくことです。 ここでは業務フローが役立ちます。 トラブルが起きたら、どのような手順で対応すべきかをフローにして、メンバーで共有しておきます。 そして、トラブルが発生した後は、すぐに最低限の確認で「発動指示」を出せるようにしておくことが目的です。

「発動指示」の理想としては「このフローの手順でいこう! 今回のトラブルの特殊な部分と役割だけ再確認するよ!」です。 「方法指示」が的確に伝わっていれば、それだけ「発動指示」は少なくてすみます。 トラブルという異常事態の中で、たくさんの情報を的確に伝え、的確に行うことはとても困難です。 「発動指示」の情報量が少なければ、それだけシンプルに伝わりますので、トラブル対応でのミスも減ることになります。 「方法指示」が的確に伝えるために、業務フローは役立ちます。

では次回は(その3)〜(その5)について考えてみます。

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2014年01月20日 宿澤直正


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