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ポイント:提案書・企画書で差別化、自分の知らないユーザーニーズ、顧客の知らない商品・サービス、ジョハリの窓

差別化された提案書・企画書を作成する方法


なぜ、差別化された提案書・企画書が必要か?

提案書・企画書を作成する際に、みなさんはどのように差別化をしているでしょうか? 「差別化なんて意識していない!」のであれば、提案書・企画書で相手を動かすという本来の目的を達成できているでしょうか?

提案書・企画書が、報告書・仕様書などの内容を正確に伝える文書と少し違うのは提案書・企画書を読んでもらった後(多くはプレゼンテーションをともないますが…)、相手が納得して動いてくれるかどうかが大切であるという点です。

提案書・企画書で、相手に「お!」「なるほど!」と身を乗り出してもらえたら成功だと思います。 それが差別化された提案書・企画書だと起きる可能性が高いのです。

たとえば、PowerPointなどのプレゼンターションソフトで作った資料の見栄えも、提案書・企画書差別化の一つの要因だと思います。 デザインに優れたPowerPointは、相手に「お!」っと思わせます。

ただ、デザインだけだと一瞬は「お!」っと思ってもらえますが、はやり内容が伴わないと「見かけ倒しか…」などと思われてしまいます。 やはり「なるほど!」と、思ってほしいものです。 では、どのように提案書・企画書の内容で差別化を行えばよいのでしょうか?

誰もが思いつく企画・提案内容に一工夫

ジョハリの窓というものがあります。 自分が知っている自分、他人が知っている自分を4つの窓(カテゴリ)に分類して理解することで、他人とのコミュニケーションを円滑にする、心理学ではよく使われているモデル(方法)です。 私はよくマーケティングの場面で応用させてもらって使っています。

提案者(今回は自分)とお客さんで縦横の軸を取り、提案者の軸をお客さんのニーズで提案者が「把握している」ことと「把握していない」ことに分けます。 一方、お客さんの軸をお客さんが自分のニーズとして、「把握している」ことと「把握していない」ことに分け4つの窓に分割します。

ジョハリの窓

通常の提案書・企画書は自分も把握しており、お客さんも把握している領域の提案にとどまることが多いです。 この領域は誰もが問題や課題として把握しており、提案書・企画書の内容として差別化が難しい領域です。 誰もがの提案書・企画書に入れてくるテーマなので、価格競争や機能数といった比べ易い指標のみで評価されます。

提案書・企画書としてストーリをもって相手に訴求をするのであれば、単純な価格や機能数だけで評価れてはその意義が薄くなってしまいます。

提案書・企画書で差別化をする二つの窓

提案書・企画書で差別化を行うには、二つの窓を覗いてみる必要がありそうです。 ただ、大前提として提案者もお客さんも「把握している」領域は、提案書・企画書の基本部分になります。 ここを疎かにして、差別化もあったものではありません。 まずは基本のこの窓を抑えつつ、二つの窓を覗いてみることが大切です。

一つは提案者はお客さんのニーズを把握しているけど、お客さんがそれに気付いていない窓です。 この窓のことを私は「ニーズの創造」と呼んでいます。 もう一つがお客さんは自分のニーズとして気付いているけど、それを提案者が気付いていない窓です。 この窓のことを私は「ニーズの発見」と呼んでいます。

「ニーズの創造」の窓を開くには、常にお客さんの視点になって自分の専門分野でお客さんに有益な情報はないかのアンテナをはります。 お客さんに有益で自分のアンテナにかかった情報を提案書・企画書に反映させることで他とは差別化された提案書・企画書になる可能性があります。 私はそのアンテナで確実に情報をキャッチできるようGoogleアラートを使っています。

一方の「ニーズの発見」の窓を開く方が難しいと思います。 提案者は「把握していない」ニーズなので、それを知るためのキッカケやツールが必要になります。 ただ、提案者がしらないお客さんのニーズを知ることができたらなら、それはとても強い提案書・企画書のポイントになります。 この窓を開くには開くにはお客さんの気持ちになりきってそれを知り、提案書・企画書に盛り込むことです。 私はそのためのツールとして、GoogleトレンドやGoogleサジェスト、リトルウェブの質問・回答などを使っています。 個々のツールの説明は次回にしたいと思います。 大切なことはお客さんの気持ち(ニーズ)を知る方法は世の中にたくさんあるということです。

他にも提案者も知らない、お客様の知らない窓があります。 ここの窓を開くのはなかなか大変ですが、何気ない雑談から窓が開かれることがあります。 ここの窓も開けるように注意したいと思います。

今回は提案書・企画書で差別化するにはというテーマで書いてみました。 是非、差別化を実現し、相手に「お!」「なるほど!」と身を乗り出してもらえるよう願っています。

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2015年08月01日 宿澤直正


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