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ポイント:受注できない提案機会の増加、引き合いバブル、あて馬、競合、社内に技術情報がたまる

受注できない提案機会の増加と対処


 いま、IT業界では「引き合いバブル」なるものが存在しているようだ。日経ソリューションビジネス4/30号に、この記事が載っていたのだが、私がこの記事を読んで感じたのは、いつかは「引き合い倒産」する企業がでるのではなかろうかと恐れを感じてしまった。「引き合いバブル」とは、受注きない提案機会が非常に多くなっていることらしい。IT業界の特性として、提案をするための準備に非常に時間がかかるということが ある。その理由はいくつかあると思う。

その企業にあったシステムを提案しなければいけないので、事前ヒアリングに時間がかかる。
・オープン系が主流になり、ソリューションプロバイダは、無数の組み合わせから、最適なシステムを提案しなければならない。
・ITの流れがとても速く、最新技術やそれにかかわるリスクを追いかけるのが大変である。

 この様な理由で、最近の企業は多くの会社に提案・見積もりを頼む。そこの中でいいものを選ぶのである。もっとも違う理由で多くに競合させる場合もある、いわゆる「あて馬」として提案を使われる場合である。すでに大きなメーカーに発注をほぼ決めていながら、その価格交渉の道具として使われてしまう場合である。このような「あて馬」にされる中小企業のソリューションプロバイダが増えている。

 ソリューションプロバイダは典型的な労働集約的な事業体である。人の工数が製造原価のほとんどをしめる。この状態で、お金にならない提案を何回も繰り返しているとしたら、もはや先行投資と見過ごせるものではなくなってきている。特に中小企業のソリューションプロバイダは大手と違い企業体力がそれほどない。この提案にかける人件費で財務状態をどんどん悪化させることは十分予測できる。「よい提案」をしなければ、受注はとれない。しかし「よい提案」をするには金がかかる。そして、「よい提案」でも通るとは限らない。むしろ中小企業のソリューションプロバイダはあて馬に利用されている可能性が考えられる。

 では、どうすればよいのか? 現状では、なかなか「これ」といったよい回答がみつからないのが現状ある。ただ、それでもいくつか考えてみたい。

 「よい提案」をした場合には、社内に技術情報がたまる。それは目に見えない企業価値なので、受注ができたときに大いに活用できる、というのが、答えののひとつである。しかし、今は、この意見すら悠長なものになりつつあるようだが、この答えはやはり有効であると考える。これは是非行っていただき、それを有効利用する仕組みを検討していただきたい。私もこのテーマはナレッジマネジメントの重要テーマとして考えている。また、このコラムで書かせていただく機会があると思う。

 そして、ひとつの答えとして、今回の提案依頼は「あて馬」なのか見抜く力をつけることがある。日経ソリューションビジネス4/30号では「あて馬」なのか見抜くポイントが掲載されていた。重要とチェックされている3つのみ引用させていただく。

■競合相手をユーザー企業が教えてくれない。
■自社があまりやってこなかった業種や技術分野のシステムである。
■RFPを渡された後の対応が悪い、質問への解答が遅い

引用「日経ソリューションビジネス4/30号」

 そして、今回の提案は「あて馬」と判断したならば、ならば選択肢は2つである。「早期撤退」が「人のつながりを築く」かである。「早期撤退」の場合は、無駄なコストは最小限に抑えられる。しかし、早期撤退を決意するまでにも当然コストはかかってしまっている。ならば、「人のつながりを築く」するのがよいのではないかと、今は考えている。「よい提案」をしたならば、「人」は覚えていてくれるものである。いま、雇用の流動化が進み「企業とのつながり」よりも「人とのつながり」が重要であると感じている。ならば、「人のつながりを築くこと」にするのが、今回の提案が「あて馬」と判断した場合にとる、ベターな方法だと考える。

 現に独立してから「どの人と、どこで関るかわからない」とよく感じるようになった。 ちゃんと「よい提案」をして、その企業のだれかと信頼関係を築いていたならば、打算的な言い方で申し訳ないが、意外と早く、次の仕事の依頼につながる可能性が考えられる。

参考文献 「日経ソリューションビジネス4/30号」

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2005年5月23日 宿澤直正


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