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ポイント:提案書、顧客ニーズ、経営課題、解決策、プレゼンテーション能力、ヒアリング

顧客が依頼したくなる提案書


提案書に関する私の考え

 我々、コンサルタントにとって提案書は必須の営業ツールだ。この提案書で顧客の心をつかめるかで、その顧客との付き合いのスタートラインに立つことができる。提案書と一言で言っても売る商品によって2つの提案書があると考えている。1つは形ある商品を売る提案書。もう一つは形ない商品(サービス)を売る提案書である。

 どちらも、相手の信頼を得ない事には始まらない事には変わらないが、この2つの提案書は決定的に異なる事がある。形あるものを売る提案書は「商品」が主役であり、形ないものを売る提案書は「人」が主役である。

 システムの提案書はどうであろうか? ずっと以前はハードウェアやソフトウェアのカタログ的な提案書と、そこからどれだけ値引きをするのかというような提案で受注がとれていたかもしれない。しかし、今ではシステムとはソリューションであると捉えられる。ソリューションという事は、なにか課題に対しての解決であり、その課題は企業によって異なる。当然、解決手段も課題によって異なるため、各企業にもっていく提案書は全く異なるものになって、当然である。

 そして、ソリューションとは形のないもので「アイデア」に近い。それを提案する時、決め手になるのは、そのソリューションを行なう「人」である。「人」とだけ書いてしまうと誤解があるかもしれない。「人」を表す、「人柄」「知識」「コミュニケーション」等でみる「総合的な意味での人」である。

受け入れられない提案書とは

 少し前の日経ソリューションビジネスに「こんな提案書が門前払い〜」というチェックリストが掲載されていた。今、私が話した内容とマッチしていると思う。 ・ハード/ソフト製品のカタログのように、機能の説明が多すぎる提案書 ・同じようなシステムで、社名だけを書き換えただけの使いまわしの提案書 ・提案側と情報システムの担当者だけがわかる、専門用語の多い提案書 ・無駄にページ数が多いだけで、課題解決のポイントがわかりにくい提案書 ・顧客側の抱える課題よりも、自社や商品の紹介を優先させている提案書  どれも、納得がいく「いかにも顧客に受け入れられなさそうな」提案書である。しかし、逆説的に考えれば、上記のような提案書でなければ、顧客に受け入れられる可能性が高い。

受け入れられる提案書とは

 受け入れられる提案書を日経ソリューションビジネスは「顧客の課題を的確に分析して適切な解決策を分かりやすく提示する提案書」と定義し、でも「理想を言うのうは簡単だ…」ともフォローしている。正しくその通りである。ただ理想が明確になっているのならば、その言葉を分解して、それぞれの言葉を具体的にはどうすればよいか考えればよいと思う。理想が見えていれば、それに至る道筋はなんとか見つけ出すことが出来るはずである。

 まず、先の理想の言葉を分解してみる。 1.顧客の課題を的確に分析 2.適切な解決策 3.分かりやすく提示 の3つの要素に分解できる。ではそれを具体的にしてみようと思う。

1.顧客の課題を的確に分析

 ここまで私が述べてきた事である。顧客ごとに課題は異なるので、それを分析する必要がある。ここでのポイントは提案書を物理的作成する時点ではなく、提案書を作成するために事前に行なうヒアリングで決まるといってよい。さらに言えばヒアリングの段階でいかに顧客の課題にせまった質問が出来るかである。

 そのような質問をするには、事前に「ヒアリングシート」を作っておく。このヒアリングシートはある程度の標準化が可能である。そしてヒアリングを行なうたびに、効果があったヒアリング項目を厚くしていき、その「ヒアリングシート」そのものを精度の高いものに成長させていく。これが企業のノウハウ(経営資源)になっていくはずである。

2.適切な解決策

 次に、課題にあわせた解決策を検討するのだが、課題が一定の精度で抽出されていれば、解決策は、類似課題などから策定する事はそれほど難しくない。私の経験から言うと、差別化しようと奇をてらった解決策よりも、実績のあるオーソドックスな解決策の方が、認められる場合が多い。

 顧客がここで一番考える事は、実現可能性である。せっかく投資しても、使えないものが出来てしまっては、投資の効果はない。よって新規性や収益性より実務では安全性が重視される傾向がある。

3.分かりやすく提示

 これはプレゼンテーション能力である。分かりやすい資料の提示と、分かりやすい説明がセットとなる。よくパワーポイントがツールとして使われるが、1枚のシートで言いたいことは1つまでにするとか、文字は最大で何文字で、それ以上は図で説明するとかいろいろ言われているが、その様なテクニックの前に、プレゼンの場面に参加してきた顧客にあわせた話をする事である。

 私も時々遭遇するが、情報システムの責任者に話すと聞いていたのに、いきなり社長が参加してくることがある。これは、決定権者が参加してくださるとの事で大きなチャンスであるが、用意してきた資料には、専門用語がいくつかはいっている。情報システムの責任者にはわかるのだが、社長や経営者の方には当然なじみのない言葉である。その時に補足説明を出来るかどうかである。

 以上、私の経験も交えて「顧客に受け入れられる提案書」を考えてみたが、私も試行錯誤の連続である。まだまだ、修行が足りないと感じる事が多くあることが正直な感想である。

参考「日経ソリューションビジネス4/15号」 

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2005年10月17日 宿澤直正


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