メンバーへの教え方(2)~メンバーに教える際の「壁」(前編)~

ポイント:メンバーへの教え方、教える「壁」、暇がない、耐えられない

OJT担当者、もしくはメンバーを育成しないといけないリーダーになった時、いつくかの「壁」にぶつかることがあります。自分も人を教えるのは苦手で、よく壁にぶつかって、落ち込んでいます。
メンバーに教えるときにぶつかることのある「壁」にはどのようなものがあり、それを乗り越えるにはそのように自分の気持ちに折り合いをつけていけばよいでしょうか?

1.忙しくて教える暇がない

教える側にとって大変なのは、通常業務に「教える」という仕事がオンされることだと思います。

教えることは大変なことです。
…なのに、自分の仕事は今まで通りこなしながら、その一方で相手の面倒を見なくてはならないのです。

忙しくてなかなかゆっくり時間がとれない…とボヤキのひとつがでても仕方がないのかもしれません。

しかし、こういう態度を相手に感じられてしまうと「どうせ自分に対する教育は二の次なんだ」と失望されます。
そして、仕事に対するモチベーションも、仕事のパフォーマンスも上がらなくなってしまうでしょう。
そうすれば、ますます教えることは難しくなってしまいます。

教えること自体は大切な仕事です。
メンバーの成長なしに、自分のチームが自律的に動けるようになることはあり得ません。

その結果、リーダーはいつまでもたっても目の前の対処に忙殺されることになります。
「教える」ということは、巡り巡って自分の仕事を楽にすることになると考えるのがよいかと思います。

2.もの覚えの悪さに耐えられない

忙しい中でいろいろ工夫して、ようやく「教える時間」を捻出したとします。
しかし、なかなか理解してくれない…、できるようになってくれない…という相手のもの覚えの悪さや要領の悪さにイライラしてしまうことがあります。

人に仕事を教えるのはとても手間と時間がかかるものです。
当然ですが、自分でやってしまった方が早いことも多々あるので、イライラするのも仕方がないと思います。

ただ「何でこんなこともわからないのか」「もの覚えが要すぎる」とイライラしてしまうのは、自分を基準に考えているからだと言えます。

教える側は、これまでの「経験」や「知識」から、仕事を進めるためのヒントやパターンを身に付けている場合が多いです。
しかし、教わる側は仕事を進めるのためのヒントやパターンを知らないのです。

特に、教える側が問題解決のためのヒントやパターンを無意識のうちに身に付けている場合は厄介です。
教える側がじれったくなって、思わず「どうしてわからないの?」と聞いてしまったら、相手のやる気を削いでしまう結果になりかねません。

教わる側が仕事を覚えられないのは、理解力がないためではなく、そのためのヒントやパターンをまだ獲得していないからと言えます。
仕事を教えるというのは、この「仕事を進めるためのヒントやパターンを相手に獲得させて使えるようにする」ということだとも言えます。

教える相手は自分とは違う人であることを忘れずに、相手に自分と同じ水準を求めないようにすることが、自分をイライラさせないためにも大切だと思います。

少し長くなってしまったので、残りは後編で書いてみたいと思います。

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2017年06月03日 宿澤直正 記

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