ポイント:2005年ITニュース、東証システムダウン、ジャストシステムと松下の訴訟問題、個人情報保護法の施行、ブログの社会的影響力増大
今年もいろいろな事がありました。特に事務所を立ち上げて独立した私にとっては、多分こでまでの人生の中でも、3本の指に入る大きな変化の年だったと思います。そんな年でしたが、パソコン(IT)業界では、どんな事件があったでしょうか? 私が独断と偏見で選んでみました。
システムに携わる者として、このインパクトは大きかったです。その後、誤発注などもあり、東証のシステム関係者の方々には、災難続きの1年であったと思います。東証や金融機関、その他24時間稼動しなければならないシステムは多くあります。
東証の記者会見で言っていた「当社のシステムも金融機関システム並みの見直しが必要」という言葉は気になります。日本経済に影響を与える可能性の高い東証(他の証券市場も)のシステムは、その影響の大きさから、最高レベルの堅牢性がいるのではないかと思います。
こちらも、新聞には大きく取り扱われました。歴史が浅いソフトの分野の特許訴訟では、裁判所の判断基準が見えにく、そのため企業は訴訟に持ち込んでも勝てるかどうかの見極めが難しいそうです。私も以前メーカー系のソフトハウスに勤務していましたが、とにかく特許の数をだそうという風潮ででした。
特許の出願件数が増え、特許庁での十分な審査が追いつかなくなってきているという背景があり、 ソフトウェアのように多くの特許が出願され、技術革新も著しい分野では、特許の無効判断がされる可能性は十分あると考えます。という事を考えると、「とにかく特許の数をだそう」という知財戦略はもう時代遅れなのではないかと思います。
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今年の4月から個人情報保護法が施行されました。この時期はどこに言っても個人情報保護法、Pマークの話ばかりで、本来の個人情報を守るり、企業としての信頼を高める目的というよりも、単純な対処法でなんとかこれを乗り切ろうという企業もいくつか拝見いしました。
個人情報保護法によって、セキュリティに対しての意識が高まったのは大変良い事だと思います。しかし、対処法に終始してしまった企業は、また2年後の更新に向けて、また対処法に終始してしまうのでしょうか? 個人情報保護とは、顧客満足のためのひとつのきっかけだと思います。決して対処法に陥るのではなく、顧客満足の為に個人情報をどの様に活用するかを考えるべきだと思います。私もPマークに関しての運営をお手伝いしていますが、可能な限り、その様な視点で考えていきたいと思います。
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ブログという言葉が一般化して、CGM(Consumer-generated media)として発展を続けている事は嬉しい限りです。HPの更新はどうしても敷居が高かったと思う出のですが、ブログの出現によって、みんなが気楽に情報発信できるようになった功績はとても大きいと思います。
ところが、ブログの社会的影響が大きくなった事により、事件にも関与することが出てきました。私はブログは決して悪ではないと思います。むしろ善だと思っています。交通事故があるから車の使用をやめますか? 火事があるからといって、火の使用をやめますか? つまり正しく使えば、ブログという消費者や最近は企業も含めた巨大なデータベースはとても有効なのです。
匿名性の排除という事でSNSも話題になっています。どちらも、その長所を生かして有効活用して欲しいと思います。
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それでは、みなさん良いお年をお迎えください。
2005年12月26日 宿澤直正 記
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