ポイント:ブログ、SNS(ソーシャルネットワーキングサイト)、ビジネスツール、コミュニケーションツール、コミュニケーションサイト、情報の匿名性、情報の信憑性
勤務先における業務上でのブログ利用率は3.5%にすぎず、ビジネスツールとしてのブログの利用頻度は依然として低いとの調査結果が出た。ブログの社会的な認知は依然として日記ツールとしての位置づけなのでであろうか? だだ日記ツールとして考えてもブログのビジネスツールの役割は高い。
当事務所の「つぶやきブログ」は完全な日記ブログである。その意味で、この時事コラムとは差別化しているつもりである。アクセスログの動きを見ると、時事コラムは9時から20時ぐらいの勤務時間のアクセスが多い。一方の「つぶやきブログ」はお昼休みや18時以降といったように、勤務時間がではない時間帯のアクセスが多い。また、もう一つの特徴として、時事コラムは検索サイトからキーワード検索でのアクセスが圧倒的に多い。一方の「つぶやきブログ」は、Unknownからのアクセス、つまりお気に入りやRSS参照ツールからのアクセスが多い。つまり、すでに「つぶやきブログ」の存在を知っている人からのアクセスが多い。つまり「つぶやきブログ」の存在意義は、友人、顧客、もしくはネットで知合った人とのコミュニケーションツールとの位置づけである。自分のもがきながら、悩んで、そして少し成長している様子を、私をサポートしてくださっている人に見ていただいているとの気持ちで書いている。
ただ、ブログの力は大きくて、現在では当事務所のサイトではトップページに次ぐ第2位のアクセス数である。事務所サイトのGoogleのページランクが上がったが、それは「つぶやきブログ」を頻繁に更新しているのも一つの要因であると思っている。そういう意味では「単なる日記ツール」としてブログの役割を捉えたとしても、その存在意義は十分あると思う。
しかし、ブログを日記ツールとしてだけでなく、もっと広い意味でビジネスツールとしてとらえると、もっとその存在意義が大きなものになる。存在意義を大きくする主役は、やはりトラックバックである。このトラックバックを有効に活用する事により、個人のブログは他のブログと有機的に結びつき、大きなデータベースに進化していく。ここにこそビジネスツールとしてのブログの真髄があると思う。現に、そのように、トラックバックによりアメーバのように広がっていくコミュニティデータベースをビジネスに結び付けて成功している例が増え始めている。
このようにオープンなブログに対して、私が今一番注目しているのはSNS(ソーシャルネットワーキングサイト)である。SNSという言葉自体はかなり世の中に浸透してきている。「参加者が互いに友人を紹介しあって、新たな友人関係を広げることを目的に開設されたコミュニティ型のWebサイト」という説明がよくされる。ブログのオープンに対して、クローズなコミュニティサイトである。このSNSは個人のコミュニティサイトの印象が強かったが、最近ではビジネスツールとして注目されている。
ブログは匿名性が高い。一方のSNSは匿名性がほとんど無い。そういう意味では、そこに寄せられる情報は信憑性が高い。いま、様々な業界がSNSを立ち上げかけている。化粧品、ファッションなどのSNSは有名だが、他にも次々と業界をリードするようなSNSが立ち上がっている。おそらく、各業界で最初にSNSを立ち上げた事業体が、先駆者メリットを得るだろうと私は考えている。
人の参加がそのまま情報量につながるSNSはいかに人がそのサイトに参加するかがポイントになる。その際の選定基準は既に参加者が多いかどうかで決まる事が多く、先駆者がメリットを得る所以である。この点では、参加が自由のブログと異なる。つまり、情報量は多いが、匿名性が高い故にその信憑性が若干低いブログと、情報量は少ないが、匿名性が低い故にその信憑性が高いSNSとの対比になる。
どちらが良くて、どちらが悪いという話ではない。それぞれが特性のあるコミュニケーションツールであるという事である。その特性を考えると、自らのコミュニケーションにはどちらが向いているか、判断がつくと思う。
ビジネスツールとしてのSNSの役割は2つあるといわれている。ひとつは企業がそのユーザーを会員としてコミュニティを構築するというものである。企業側の狙いはマーケティングである。会員側のメリットは企業からの優待情報の提供である。この形態が今後増えてくると思う。
もう一つの役割は、社内コミュニケーションツールである。社内コミュニケーションツールといえばグループウェアであるが、同じような考えでよいと思う。それがやがてナレッジの蓄積ツールにまで発展できれば、とても良いと思う。
ただ、残念ながら、総務省調べによると「SNSを聞いた事がない」という人は55.3%おり、認知度はまだまだといった感じである。今後、この認知度があがってくれば、ブログと並ぶコミュニケーションツール、コミュニケーションサイトとなると思う。
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2005年10月24日 宿澤直正 記
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