ポイント:ブログ、SNS、ソーシャル・ネットワーキング・サービス、仲間意識、コミュニケーションツール
以前も似たようなテーマで書いたが、面白い記事があったので紹介したいと思う。日本経済新聞の11/28の記事によると、日本広告主協会のWeb広告研究会が調査を行なった結果、ブログの利用者が1年で倍増し、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の利用者は6倍になったそうである。
ブログという言葉は2005年の流行語大賞のトップテンに入ってた。このニュースを見たときにブログは2004年の流行語大賞のトップテンにも入っていた気がして、ついホームページで確認してしまった。日経の記事によるとブログ利用者は1160万人から2014万人になったという事だから、2004年の段階で1160万人もブログ利用者がいたという事になる。十分ブームといえる人数のような気がするが、よく考えると私もブログについて企業から聞かれるようになったのは2005年の初めくらいからである。2004年は先がけ的にブログを書いていたヒトは大勢いても、まだ一般的でなかったという事なのであろう。
簡単に更新できるWebサイトということで、パソコンに詳しくないヒトにもインターネットを身近にしたブログの功績は大変大きい。来年も引き続きブログの利用者は増えていくだろう。またブログをビジネスに活用する手法がもっと成熟し、そんなシーンももっと増えると思う。
ブログは今後も成長していくとして、もう一方のSNSはどうであろうか? 実は2005年の11月くらいから、企業からSNSについて話してという話を頂くことが多い。ちょうど企業がブログについて話してと多く依頼していただいた2005年の初めに似ている。大体一年遅れである。ならば来年の流行語大賞トップテンにSNSは入るのだろうか?
日経の記事によるとSNS利用者は31万人から、190万人の6倍になったという事である。6倍という数字のインパクトは凄いが、実数としては「まだまだなのかな」と感じてしまう。今後も着実に増えていくと思うが、ブログのような爆発的なブームにはならないと思う。
ブログとSNSの違いは匿名性の有り無しで語られる事が多い。たしかに私も匿名性の有無がブログとSNSの大きな違いであると思う。これに関しては、私の時事コラム「ブログとSNS(ソーシャルネットワーキングサイト)」で述べているのでそちらを参照していただけるとありがたい。
私は、ブログとSNSは、もう一つ大きな違いがあると思う。それはサイト開設のプロセスである。ブログは一人でも「始めよう!」と思えば簡単に始める事ができる。ISPの提供する無料ブログサービスは百花繚乱という感じでどこにしようか迷ってしまうほどである。この「気楽さ」がブログの良いところだと思う。沢山の人に訪問してもらおうと思えば、いろいろ考える事が必要である。しかし、まずは今日の出来事を記す日記でも十分立派なブログである。
一方のSNSは、そこまで気軽には始められない。まず構築であるが、SNSはブログのようにISPが無料サービスを提供しているわけでなく、自分でサイトを構築しなければならない。Xoopsに代表されるオープンソースのCMSが多くあるので、少し知識があれば難しい事ではないが、ISP提供の無料ブログサービスと比べると敷居は高い。そして運用であるが、ネット利用者にそれぞれのSNSへの参加をどのように促すかが難しい。私もここで頭を痛めることが多い。
それでもSNSは爆発的なブームにならなくてもジワリジワリと人数を増やし続けると思う。SNSのサークル的な仲間意識はとても強い。ブログのように誰でも参加ができる環境とは違い、SNSはある意味閉鎖的であるが、その分仲間意識を強くする。この部分を上手く活用して、ビジネスで成功しているSNSが増えてきている。
必ずしも正しい表現ではないが、それらの機能を考えると、ブログで広く浅く人と付き合うもの、SNSは狭く深く付き合うものといえると思う。SNSを考えていると大学時代にはまっていた草の根BBSを思い出してしまった。
前の時事コラムでも述べているが、ブログとSNSでどちらが良くてどちらが悪いという話をしているのではない事をくどいが付け加えておく。
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2005年12月05日 宿澤直正 記
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