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ポイント:ITプロジェクト、リスク、怖いもの、見える化、担当者の抱え込み、担当者の放りっぱなし

ITプロジェクトでの怖いもの〜担当者の抱え込みと放りっぱなし


プロジェクトにおける怖いリスク

プロジェクトには様々なリスクがあります。 それぞれのリスクは「見え」てさえいれば、何らかの対策がうてると考えています。 怖いのは、プロジェクトの中に隠れることで「見えなく」なっているリスクです。

プロジェクトの「見える化」は、様々な場所で言われていることです。 プロジェクトにおけるリスクが見えない以上、すぐに表面化することはありません。 その結果、気付いた時にはすでに「大火事状態」になっていることが多々あります。

プロジェクにおける様々な見えないものを「見える化」することで、レビューの遡上に上げることができます。 レビューの遡上にあげれば、プロジェクトの問題として検討することができます。 そうすれば何らかの形で解決策が議論できるのです。

私が、最も怖いと感じるプロジェクトにおける怖いリスクは二つあります。 ひとつは「担当者の抱え込みリスク」で、もうひとつは「担当者の放りっぱなしリスク」です。 どちらも担当者が悪いという意味ではなく、個人の意識、心理がリスクを見えなくしていることが共通しています。

担当者の抱え込みリスク

人の心理かもしれませんが、一度請け負った手前、なかなか「できない」とは言いにくい…ということがあります。 特に、真面目な人に、このような傾向があるようです。

問題がおきててしまったとき時、まずは自分で解決しようと頑張ってしまう。 そうこうして、事態が悪化するとますます「できない」と言いにくくなります。 その悪循環で、どんどん周囲に言えないまま事態は悪化してしまいます。 「言いにくい」には、別の理由もあるようです。

また、私が若くてプロジェクトリーダーをしていたころに気付いたことです。 ある時メンバーの一人が、自分の担当分報告をしにきました。 いつもなら、報告が終わると、自分の席に戻って作業を開始しるはずですが、その時はなぜかモジモジして席に戻りません。 私は思わず「他に何かあるの?」って聞きました。

するとメンバーの彼は「実は…」と話を始めました。 その内容は、プロジェクト揺るがしかねない重要な内容でした。 「なんで、今まで言わなかったの?」ってきくと、「宿澤さん、とても忙しそうで言いにくかったのです」という返答でした。

その時、気付いたのですが、メンバーから的確に報告があるのは当然と思っていた自分はリーダーとして失格だと思いました。 メンバーが報告しやすい場を作るのもリーダーの役割です。 それから、(忘れることもありますが)「他に何かあるの?」と聞くように努力をしてます。

プロジェクトはみんなで進めるものです。 個人で問題を抱え込まず、プロジェクトで問題を「見える」ようにし、みんなで解決する必要があると思います。

担当者の放りっぱなしリスク

これも担当者の心理に近いかもしれません。

プロジェクトに自分の割り当て作業のみを近視眼的にこなすようになってしまうことがあります。 しかしその作業の中には「あれ?この部分の担当が決まっていないのでは?」と気付くこともあると思います。 担当者が悪いというわけではなく、その気付いた担当が曖昧な作業をリーダーに言い出せない場合があります。 それは、どのようなプロジェクトかというと「言い出しっぺが損をするプロジェクト」です。

例えば気付いた担当が曖昧な作業を、プロジェクトマネージャーに伝えたとします。 その時にプロジェクトマネージャーが絶対に言ってはいけない言葉があります。 それは「よく気付いたね。ありがとう。じゃ、よろしくたのむね」です。

こうなると、その担当者は次から担当が曖昧な作業に気付いたとしても、それを自ら申し出ることは無くなるのではないかと思います。

とても人間臭い冗談のような話ですが、こういったことがプロジェクトのリスクを見えなくしていることがあることも頭に入れておくとよいと思います。

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2013年09月30日 宿澤直正


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