ポイント：BYOD、個人持ち携帯端末の業務活用、スマホ、タブレット、情報漏えい、パスコード、端末暗号化、ローカルワイプ、リモートワイプ

BYODの基礎知識～スマホ・タブレットの盗難・紛失への対策～

BYOD導入における企業の一番の心配事

BYOD導入における企業の一番の心配事は何でしょうか？　それは間違いなスマホ・タブレットの紛失・盗難からの情報漏洩です。日経BPの調査では約９割の人がBYODを認めない理由に「情報漏洩の恐れがあるため」と答えています。

スマホ・タブレットは社外で使うことが多いため、つい置き忘れたり盗まれたりすることが考えられます。当然、紛失したスマホ・タブレットは情報漏洩につながる可能性があります。企業にとって情報漏洩は、BYODにかかわらず大きな懸念事項です。

紛失・盗難の事故はフィーチャーフォンでもあり得ます。しかし、常時接続、大量のデータが保存可能、クラウドサービスへの容易なアクセス…といった点から、情報漏洩で被るダメージはスマホ・タブレットの方が大きいです。

そんなわけで、スマホ・タブレットの盗難・紛失への対策はBYODでもとても大切なのです。

紛失・盗難への対策を考える前に

まず、スマホ・タブレットの紛失・盗難に備えてすべきことを見てみます。ただ、その前にまず考えるべきは「スマホ・タブレット内に業務データを保存しない」ことです。

パスワードによるアクセス制限や、端末の暗号化などが盗難・紛失によるデータ流出への対策として考えられます。しかし、厳密に言えば、アクセス制限も暗号化もデータの流出そのものを防げるわけではありません。いくら暗号化がしてあっても、顧客データが流出してしまった場合、顧客の不安を完全に払しょくできるとは限らないのです。

いろいろな対策を考える前に「スマホ・タブレット内に業務データを保存しない」運用を考えることが大切だと思います。

スマホ・タブレットの紛失・盗難への対策

スマホ・タブレットの紛失・盗難への対策として、紛失・盗難の前にしておくことと、紛失・盗難の後にすべきことがあります。紛失・盗難の前にしておくこととは、以下の3つがあると思います。

画面ロックの設定

パスワード（パスコードという複数桁の数字の場合もある）を入力しないと端末を操作できなくする機能です。

ローカルワイプの設定

画面ロックを解除するパスワードやパスコードの入力を指定回数間違えたとき、データを自動消去する機能で、iOSには標準で備わっています。AndroidではGoogleAppsDevicePolicyなどで実現します。

端末の暗号化の実施

iOSは、外部デバイスが基本的には利用できず、ユーザー領域も暗号化が行われていので暗号化に関しては強固といえます。Androidは、バージョン3.0以降に関しては標準でシステム領域の暗号化が行われるようになりましたが、ユーザーが追加するSDカードに関してはサポート対象外（Andorid4.0以降も）となっています。

では、紛失・盗難の後にすべきこととしてはなにがあるでしょうか？

リモートワイプを行う

それは、リモートワイプの実施があります。リモートワイプとはスマホ・タブレットが保持しているデータを、遠隔地から通信回線経由で消去したり、無効化したりする手法のことです。

iOSはiCloudの「iPhoneを探す」から実行できます。Andoridは2013年8月からGooglePlayの「Andoridデバイスマネージャー」から実行できるようになりました。もちろん、ローカルワイプやリモートワイプはデータが消えるので、それを覚悟の上で行う必要があります。

具体的な設定は、また、このコラムに書いてみたいと思います。

2013年09月02日宿澤直正記

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