ポイント:クラウド、IT環境の変化、IT化課題、インフラの全社最適化、サーバー/ストレージ、投資財効果測定
ITを取り巻く環境は、わずか数年で激変を起こしてきています。少し想像してみてください。
想像を超えるスピートでITは世の中を変えてきています。クラウドも、モバイルデバイスとともに、世の中を変える大きな要因となりつつあります。当たり前のことですが、少し先を見据えたIT戦略、IT投資を考える必要があるのです。
少し、事業マトリクスを考えると2〜3年の先には、当然のように企業にクラウド・コンピューティングが入ってくると想像することは難しくありません。
では、具体的にクラウドは企業のIT化のどんな課題に対応できるのでしょうか? 以下のグラフは、少し古いですが「日経ソリューションビジネス(09/08/15号)」掲載されていたCIO(最高情報責任者)に聞いたIT化の課題の順位です。
その中の20%以上の回答に注目してみました。
これらは、クラウドを活用して、解決を考えることができるのではないかと思います。順に見ていきます。
今の、ITシステムにおいては、TCO(総所有コスト:Total Cost of Ownership)の削減、セキュリティや事業継続(BC:Business Continuity)など「安心安全」への対策、内部統制への対応強化といったさまざまな経営課題に対応するために、システムの基盤となるITインフラを全社的に最適化することが必須となっています。 これまでも、ITインフラの最適化に向けた、サーバ、ストレージなどを個別に最適化する取り組みされているのですが、部分最適のアプローチでは、今必要な経営課題にスピーディーに対応するためのシステム基盤は実現できないのです。
「開発期間の短縮」、「開発規模の縮小」、「品質の向上」、「バージョンアップサービス」、「ベストプラクティスの獲得」「システムのグローバルな展開」などのメリットを享受するためパッケージアプリなど標準的な製品の利用は今後も増えると考えられます。 但し、ソフトウェアパッケージが会社業務と大幅に合っていない場合は、カスタマイズもしくは追加プログラムの開発規模が増え、メリットが十分活かせなくなる課題があります。
経営において「選択と集中」というキーワードがいわれるようになって久しいです。企業における経営資源は限られており、それをいかに配置するかが「選択と集中」を実現するために欠かせないアプローチです。そのアプローチには、「アウトソーシング領域の見直し」が含まれます。 コスト削減だけにとらわれない、自社のコアコンピタンスに集中するための戦略的なアウトソーシングが求められていくと考えらます。
今の「リーマンからの百年に一度の不況」「震災からの更なる不況」を乗り切るために、よりシビアな「投資財効果測定の厳密化」が行われていくことは容易に想像できます。 「厳密化」は単純なコスト削減だけを目指すのではなく、投資に対してどのような効果があるかどうかを厳密に検証していくということです。 つまり、今抱えている経営課題をクリアする(目的達成)ために、投資内容とその狙いを明確にすることです。
クラウドを活用した課題解決の一つのアイデアイメージを以下に示してみます。もし何かの参考になれば幸いです。
2011年05月30日 宿澤直正 記
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