ポイント:図解手法、メリット、デメリット、情報量を削減、誤解を招きやすい図、なんとなくわかった
「図解手法をもちいて説明をするメリット・デメリット」について考えています。 前回までは図解手法をもちいて説明をするメリットを4つ説明しました。
今回は、図解手法をもちいて説明する場合に陥らないように気を付けること(デメリット)について考えてみます。
図解手法を使って相手に伝える際の目的の一つは「わかりやすく伝える」ことです。 「わかりやすく伝える」のに情報が多すぎてゴチャゴチャしていると「難解な図解」になってしまいます。
その結果「難解な図解」を避けるために、シンプルにしているうちについつい重要な情報を削減してしまうことがあるのです。 自分の頭の中では、図解のもとになる情報が入っているので、その情報は当然のもの(相手も知っているもの)と勘違いしてしまうの理由です。
「わかりやすく伝える」ためにシンプルな図解を心がけることは大切です。 しかし、そのために重要な情報を削ってしまっては、結局は「伝わらない」ことになってしまいます 再度、「この図解で伝えたいメッセージは何か」を自分に問うてみるか、誰かにチェックしてもらうとよいと考えます。
理解が不十分なまま図解を作成すると、図解自体があいまいで誤解を招きやすくなることがあります。 理解が不十分で図解自体があいまいであっても。それは立派な「図解」として相手に届きます。
図解は相手にイメージで伝えるため、その印象は大きいものがあります。 それに曖昧な知識が書かれていると、そのまま印象に残って伝わることにもなりかねません。
図解手法で相手に伝える際は、出来上がった図解で誰かに説明してみるとよいでしょう。 その説明がしやすくて相手に正しく伝わったことが質問などで確認できれば、自分の理解は十分で図解としてもあいまいを排除して作成されていることになります。
また、相手にその図解を使って説明してもらうことで、あいまいさがないか確認することも効果的です。
人に知識を教える場合(ティーチング)では、情報量を削減してはいけない場合がある。 ティーチングの場合、主たるメッセージは、「こうやればできるから、あなたがやってください」である。 そのためには、やれるだけの豊富な知識と経験を与えてあげる必要がある。
しかし、最初のデメリットのように図解をするときには必要以上に情報量を削減しすぎてしまう例が少なくない。 図解されているものを見ると、何となくわかった気になり、それ以上真剣に考えずに先に進んでしまう、ということがある。
理解のハードルが低くて「なんとなくわかったレベル」では実際に現場で役に立つレベルまで鍛えることはできていない。 ティーチングでは「難しい説明に対して必死に考えもらう」ことが効果的であり、「必死に考える」プロセスなしに、人が問題の本質を「理解」することはありえないのである。
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2016年03月01日 宿澤直正 記
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