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ポイント:顧客管理、CRM、優良顧客、リピータ、消費者特性

優良な顧客と永続的な関係を築く−CRMとは


CRM(Customer Relationship Management)とは

 CRM(Customer Relationship Management)とは、CRMとは、詳細な顧客データベースを元に、商品の売買から保守サービス、問い合わせやクレームへの対応など、個々の顧客とのすべてのやり取りを一貫して管理することにより実現します。顧客のニーズにきめ細かく対応することで、顧客の利便性と満足度を高め、顧客を常連客として囲い込んで収益率の極大化をはかることを目的とする「考え方」です。

 この「考え方」がポイントです。上記のような説明ですと「顧客データベース」という言葉があるように、CRMというと、そのままコンピュータのソフトであると考えている人が多いようです。

 CRMは「優良な顧客と永続的な関係を築くには」とテーマに対して試行錯誤を行っていきます。このテーマに絶対的な答えなどは当然なく、顧客に対してのどんな情報を、どのように活用すれば、このテーマが達せられるかを仮説検証的に模索します。

 そして、模索した結果、自社にとって、少なくとも今の時代の「優良な顧客と永続的な関係を築くには」とテーマの答えのようなものを見つけることができます。少なくとも今の時代の断りをいれたのは、顧客(消費者や取引先)の特性が変わることによって、その答えを継続的に改善しなければならないからです。

CRMを理解のひとつの考え方

 CRMをもう少し簡単に見ましょう。「優良な顧客と永続的な関係を築くには」というと難しいですが、要は「お客さんにリピータになってもらいましょう」と言えると思います。図にすると以下のような感じです。

CRMのイメージ

これにより、以下のようなメリットがあります。

 ・・・など。売上は同じ500円でも、それにかかる経費・労力が少なくなると言えるのです。かなり抽象的で強引ですが、これがCRMを理解するときのひとつの考え方といえます。

なぜ、CRMが必要となったのか?

 では、なぜCRMが必要となってきたのでしょう。それは消費者特性が時代とともに変化してきていることにあります。これがCRMに対して取り組みを継続的に改善していかなければならない理由です。場合によっては、CRMより進んだ考え方が出てくる可能性もあります。

 その時代背景の変化を見てみましょう。

 まずは、マス・マーケティングの時代です。70年代くらいまでは、需要が供給を上回り、モノを作れば売れた時代です。どんなヒトが買うのかは全く関知されていなかった。つまり、顧客を見る必要は無かったのです。

 次は、ターゲット・マーケティングの時代です。需要と供給のバランスが逆転し、消費者が選択をする権利を得た時代です。多様化・細分化した消費者ニーズに対応するため、ターゲットを明確した戦略を展開しました。顧客を見始めましたが、それは、あるグループ単位で見ている状態です。

 そして今は、個別・マーケティングの時代です。消費者にモノが行き渡り、モノが売れなくなっています。また、モノがよいのは当たり前で、消費者は付加価値(主にサービス)を重視し、既存のパイ(顧客)を奪い合い、新規顧客を獲得するためのコストが高騰してきています。新規顧客獲得コストは既存顧客の維持コストの5倍と言われており、その結果、新規顧客獲得よりも、既存顧客の関係維持に重点が置かれる状態になったのです。

 次回は、具体的にどうやってCRMを実践していくかを書きたいと思います。

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2006年08月14日 宿澤直正


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