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ポイント:情報という経営資源、情報系システムを構築、SFA、CRM、ナレッジマネジメント、エンドユーザ参加型

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「情報」という経営資源の蓄積と活用


   私は、事務所の開設当初から、「情報」という経営資源をいかに蓄積し、活用するかを大きなテーマに据えて活動している。もちろん他のテーマも多く携わることになるが、ITコンサルを名乗る以上、「人、物、金」の従来の経営資源加えて、経営者の方々に、新しくでてきて、ちょっとわかりにくい「情報」という目に見えない経営資源について、伝えていくことは大きな役目だと思っている。

 企業活動の資源として、新たに「情報」が重要視されてきている。「人、物、金」に加えて第4の資源として、情報を加える場合が多くなっており。正確な情報をタイムリに活用することによって、競争優位のビジネス活動を展開することの重要性が認識されている、「人、物、金」という調達に資金がかかる経営資源をいかに有効に活用するかは、それは、当然経営の大きなテーマである。だが一方の、「情報」は、調達に資金はかからないが、それを資源として活用することにより、更に経営資源として磨きがかかっていくという特徴がある。市場で簡単に調達できない分、「情報」という経営資源が「他社との差別化の主役」になることを考えると、その重要性がわかる。「情報」という経営資源を磨く手段としてデータの活用の観点からのSFAやCRMという情報系システムを構築に情報化戦略を定める企業も増えてきている。

 情報に対しては、その有効利用の観点から、次の事項を満足させていることが必要であると考える。以下に記述することは、”情報”を”ナレッジ”と置き換えると、ナレッジマネジメントでのナレッジの有効利用と同様に考えることが出来る。
 

情報の種類の明確化


 情報を企業活動に活用する場合に、対象となる情報を明確にすることが必要である。これには、情報活用の目的を整理し、その目的にあった情報を収集・維持することが必要である。情報活用の目的としては、業務革新、新規業務・商品開発、営業活動支援などが考えられるが、その目的にあった情報を、どのようにして、どこから得るのかを明らかにする必要がある。
 

情報の適時性


 情報は、必要なときに、必要な内容で利用できることが重要である。そのためには、情報の内容が常に、そのときの状態を表していることが必要である。正確で重要な情報も、その入手のタイミングが遅くなれば、活用のチャンスを逸する。情報の有効活用を図るためには、必要な情報がタイムリに入手できなければならない。情報はナマモノなのである。
 

情報の適切な保守


 情報の内容は常に変化している。ある時点では最新の情報でも、時間の経過とともにその内容は陳腐化し、不正確な情報となる。情報には、内容が固定的であり、時間の経過とは関係のないものもあるが、多くの情報は変化している。内容が陳腐となった情報は、利用者から利用されず、情報システム自身が無用の長物となる場合も多い。
 

情報の活用の推進


 情報は活用されて初めてその意味を持つ。利用者が活用することによって、利用者からの情報提供、内容のアップデートなどがなされ、より情報の精度が向上する。そのためには、利用者の活用を推進する施策が必要である。それには、利用者の使い勝手の向上(操作性の向上)、利用者に対する教育の実施、使用環境の改善などの施策が必要である。

 情報は、基幹システムから取得する手法でない場合、社員の入力がされてこそ、蓄積されたデータが価値のある物となり、利用者の有効活用が図れる。入力作業が専任ではなく、主業務とは離れた位置付けである場合、いかにこの入力を的確に実施させるかが、情報活用の鍵となる。このようなエンドユーザ参加型の情報構築では、情報システムの目的、意義を関係者が認識し、理解を得ることが重要である。

 前にも書いた気がするが、残念ながら、ソフトウェアを導入すれば、「情報」という経営資源が蓄積されていくと考えている人もいる。これに関してはきちんと反論したい。1年間、いろいろなお客さんを見てきた結果だが、「どんなによいソフトウェア」より「人の利用しようとする意識」が重要である、という認識をより強くした。  

(参考)「システム監査(アイテック)」

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2005年5月2日 宿澤直正


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