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ポイント:ナレッジマネジメント、取り組み,知識、ノウハウ、経営革新、日報の有効活用

ナレッジマネジメントへの取り組み


 以前、「ナレッジマネジメントが組織に根付かない理由を考える」というテーマでコラムを書かしていただいた。結論から言うと 「企業にあった導入の仕方をしなければ、組織に根付かない」ということである。具体的には、

 ・知識をみんなで共有する組織風土になっているのか?
 ・みんなが欲しい知識とは何か?
 ・みんなは知識を、どのような手段で捜し求めているか?
 ・みんなは知識をどのように活用しているのか?

をじっくり考えるとよいと書いた。ではもう少し具体的にナレッジマネジメントを導入していくステップを、その発展とともに考えていきたい。具体的には、日報を例にしようと思う。

 日報は日々のみんなの声の集約である。言い換えれば、問題点や改善内容、アイデアといった宝の山であるといえる。ただ、その宝の山から、宝を掘り出すのは非常に難しい。よくデータマイニングといって、「データを解析し、その中に潜む項目間の相関関係やパターンなどを探し出す技術」を言うことがある。ただ、具体的にはどうやったらいいのであろうか?それは、ナレッジマネジメントの発展の経緯のなかに答えの一つがあると思う。

私の考える、日報を例としたナレッジマネジメントの発展例は以下のようになる。

@みんなが日々の業務内容を報告した「日報」をみんなで回覧し、議論する。
 まずは、日報を書き始めなければ始まらない。日記が三日坊主になることが多々あるように、「日報を書く」これが第一の関門である。材料がなければ料理は出来ないのである。

Aみんなで日報をパソコンに打ち込む。クレームが発生した場合に過去の事例を検索し、対応を早くする。
 ここでパソコンが検索の道具として登場する。検索の迅速さは、日報が蓄積されてくると自然と必要になってくる。無理にパソコンを導入するのではなく、必要になったら導入すればよい。

Bみんなで日報を、問題、課題、対処方法などに分類してデータベースに蓄積する。問題の優先順位や対処の有効性を共有でき、そのままノウハウとなる。

 これが、ナレッジマネジメントの1つの完成形である。

 わかりにくいので、図示してみる。

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 このように日報を各人が整理しながら記述することにより、少し宝の山から、埋もれてしまっている宝が見えてくると思う。「各人が整理しながら」というのが、既に属人的であり、難しいと思う。しかし、フリーフォーマットで各人が記述するよりは、「少しナレッジマネジメントは前進」すると思う。この「少しでも前進」の意識がとても大切である。ナレッジマネジメントは「単なるパソコンソフトの導入」ではなく、「経営革新」である。この「少しでも前進」という意識と行動が経営の基本であるPDCAサイクルをまわす輪を大きくしていくと私は考える。

 そしてノウハウをナレッジ(知識)として蓄積していく先に、もう一つの達成点がある。これがナレッジ(知識)を経営に活用することであり、それを「知恵」と考える。次回は「知」というキーワードの発展を考えてみたいと思う。

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2005年2月28日 宿澤直正


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