ポイント:顧客管理、CRM、優良顧客、見込客、優良顧客、問題顧客、顧客接点、顧客情報、顧客満足
顧客を差別化するというと、なんとなく経営者の反発を招くかもしれません。ただ、自分のお店や企業に対して何回も足を運んでくれるリピータと、一元さん(特に割引のときにか顔を出さない人)を平等に扱う方が、おかしな気がします。
やはり、リピータに代表される優良顧客と、割引時にのみ現れるお客さんを平等に扱うということは、不公平と言えると思います。お客さんのお店・企業への貢献度によって差別化することが、お客様を「公平に扱うこと」につながると言えます。
つまり「お客様を平等に扱うこと」と「お客様を公平に扱うこと」はまったく別の考え方といえると思います。CRMの考え方は、お客さんのお店・企業への貢献度を分析して、それに見合ったサービスを展開して、優良顧客を、より優良顧客にしていこうという考え方と言えます。
ただ、CRMはそれだけの「考え方」ではありません。優良顧客を、より優良顧客にするだけの「考え方」なら、ここまで顧客戦略のベースとして浸透していかないでしょう。CRMという言葉が浸透しているではなく、CRMの考え方がジワリと浸透しているのです。
CRMのひとつの考え方では、「見込み客」「(有望)顧客」「優良顧客」「問題顧客」の4つの象限で顧客を考えます。それぞれの象限で当然アプローチは異なります。
大切なのは「見込み客」から「(有望)顧客」への引き上げです。「見込み客」の購買行動にどのような要因が影響するのかを考え、その要因はどのような顧客との関係を維持すれば育まれるのかを検討する必要があります。
避けなくてはいけないのは、「見込み客」を「問題顧客」にしてしまうことです。「見込み客」に対して、何のアプローチもとらなければ、自然と「問題顧客」もしくは「離反顧客」「休眠顧客」になってしまいます。
それを阻止するために、「見込み客」から「(有望)顧客」への引き上げのアプローチが必要となるのです。
CRMの最終的な目標は、様々なタイプの顧客の「優良顧客への引き上げ」です。そこで考えるべきは、どのように顧客と接点をもち、その際にどんな情報や知識を取得し、それを知恵として「優良顧客への引き上げ」に役立てれるかということです。
当たり前ですが、「優良顧客への引き上げ」には「顧客満足の追求」が不可欠です。私は、まず、どんな「顧客接点」があるのか、また、「顧客接点」を自ら作るにはどうしたらよいのかをまず考えます。その後で顧客と接点を持てたときにどのような「顧客情報」が取得できれば、後の「顧客満足」につながるかを考えます。
「顧客満足」は「顧客接点」の最大化の最も近道と言えます。つまり「顧客接点」→「顧客情報」→「顧客満足」→「顧客接点」のサイクルは継続する事によって、大きくしていくことができるのです。
どのように顧客と接点をもち、どんな情報や知識を取得すればよいかは、業種、業態によって様々です。大切なのは、「顧客接点」→「顧客情報」→「顧客満足」でサイクルをまわしていくという考え方です。
注意願いたい事が一つあります。CRMの文献だと、顧客情報やその分析手法に重点がおかれることが多いです。ただ、顧客との接点がなければ、顧客の情報収集、分析はできません。よってサイクルを考えるときは、「顧客接点」に重点をおいて考えていただきたいと思います。「顧客接点を最大」にするにはどんな「情報」が必要なのか? このアプローチが私は効率的だと思います。
先に「顧客接点」→「顧客情報」→「顧客満足」でサイクルをまわしていくという考え方が重要と書きましたが、それを実現するための具体的な話も必要だと思います。この話がどんなデータを収集し、分析するかという「手法」の話になっていきます。後日この部分を話したいと思います。
参考
「CRMの本(日本工業新聞社)」
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2006年08月14日 宿澤直正 記
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