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ポイント:ERP、動向、ERPソフト、ERPパッケージ、MRP、日本の商慣行、SOX法、BPR

ERPソフトとは


 明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。新年最初のコラムは「ERPソフト」に関してです。「新年からそんなの見たくないよ!」って方は、しばらくたってからまたご覧になってください。

 ただ、今年の最初の話題にERPソフトを選んだのは、本文中にもありますが、今後のERPソフトの選定基準に話題のSOX法が絡んでくるのではないかと思い、今年はERPソフトの動向から目が離せないと考えたからです。新年早々、無粋な事を書く男だと思わないでくださいね。^^; 

ERPソフトとは

 まず、ERP(Enterprise Resource Planning)とは何であろう。e-Wordsによると「企業全体を経営資源の有効活用の観点から統合的に管理し、経営の効率化を図るための手法・概念のこと。「企業資源計画」と訳される、とある。難しい。難解だ。

 MRP(Material Requirements Planning)がわかっている製造業の方にとってはERPはMRPの発展系と考えるとわかりやすいかもしれない。MRPとは「資材所要量計画」のことで、部品表と在庫情報から効率的な発注すべき資源の量と発注時期を割り出し、在庫の圧縮と不足の解消を同時に実現したものである。つまり資材に視点をおいた生産管理効率化の手法のひとつである。

 資材に視点をおいた効率化(MRP)を発展させ、製造や物流等の管理、および経理などの機能を含めて、企業全体の経営資源の効率化を図るように、統合したものがERPである。

 では、ERPにソフトがついて「ERPソフト」になるとどうであろう。またまた、e-Wordsによると・・・


企業の経営資源を有効に活用し経営を効率化するために、基幹業務を部門ごとではなく統合的に管理するためのソフトウェアパッケージ。

各部門ごとに別々に構築されていたシステムを統合し、相互に参照・利用できるようにしようというもので、財務会計や人事などデータの一元管理、システムのバージョンアップや保守点検の容易化、他部門の作業のリアルタイムな参照などが可能になる。

特別な機能を持ったソフトウェア部品を後から追加できるよう拡張するための機構を備えたものもあり、個々の企業に合わせて作りこむことができるようになっている。

ERPソフトを導入して経営効率を向上させるには、業務プロセスの検証、標準化が欠かせない。このため、導入前に数ヶ月から1年以上に渡る綿密なコンサルティングが必要となる。


「ERPソフト」の説明になると、具体的な話が入ってきて、少しイメージがわきやすい。

ERPソフトの動向

 ERPソフト市場に関してひとつのニュースがある。マイクロソフトが2005年11月16日の記者会見で、中堅・中小企業向けの業務ソフト「Dynamicsシリーズ」を日本語化し、2006年に日本市場に投入するとのことである。

 ERPは、どちらかと言うと大企業のものという印象がある。しかし、ここにきて中堅・中小企業向けのERPソフト市場が活気付いている。

 昨年の日経ソリューションビジネス10/15号には中堅・中小企業向けのERPソフトのシェアが掲載されていた。

 数字が分かれていると感じる。圧倒的なシェアをとっているメーカ(販売会社)はない。ERPソフトが会社の業務を前提としており、より自社の業務に合うものを選ぶ必要があり、単純に価格や過去の販売実績などでは選択できない事情があると思う。

ERPソフトへの個人的所感

 それでも、大塚商会のSMILEαシリーズは大きな伸び率を示している。SMILEαシリーズは外国勢が多く占める中で、大塚商会が日本国内の中堅・中小企業とビジネスを行ってきたノウハウが含まれている。日本独特の商慣行が含まれたERPソフトは確かに魅力的である。外国勢の方が先かと思っていたが、「完全Web対応」を最初にしたのも、SMILEieだそうである。実は現在関与している企業のニーズにかなり近い仕様ということもあり、個人的に注目している。

 日本の商慣習を考慮している点では、会計ソフトとして有名な、オービックの勘定奉行シリーズも注目すべきである。そして、もうひとつ弥生会計を出している株式会社弥生も弥生会計NE、弥生販売NEといった、ERPへの発展を期待させる商品を出してきている。これらの単体パッケージから発展してきたメーカ(販売会社)のERPも、すでに単体パッケージのユーザを持っていることから、ニーズを吸い上げやすい立場にあり、よいERPパッケージを作ってくると思われる。

 ただ、外国勢のERPパッケージが、悪いと言っているわけではない。外国勢のERPパッケージは世界的なスタンダードな業務を実現している。最初は日本の商慣行の壁にぶつかるかもしれないが、今は国境のない経済活動が当たり前になっている。長い目で見れば、外国勢のERPパッケージも十分検討の対象に入れておくべきである。

 例えば、アメリカでは2002年からSOX法が実施されている。日本では早ければ2007年から「日本版SOX法」が動き始めると言われている。政府は「日本版SOX法」はアメリカの「SOX法」のコピーにしないと言っているが、「よりITによる内部統制の強化」が草案に組み込まれることが確実視されている。そういった意味では、いち早く「SOX法」に対応したSAPの「mySAP」なども、個人的に注目している。

 個人的な意見をつらつらと書かせていただいた。これはあくまでも個人的な所感である。どのERPソフトがよいかは、自社の業務と、ERPの機能をしっかり見極める必要がある。この話は後日、またコラムに書かせていただきたいと思う。

参考 日経ソリューションビジネス'05/10/15号

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2006年01月02日 宿澤直正


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