ポイント:ITによる業務効率化、ITありきで考えると失敗、現状分析、ゴール設定
本コラム「ITによる業務効率化の第一歩」は2014年4月4日中部経済新聞「ナビゲーター」に掲載されました内容に一部加筆・修正したものです。
今の厳しい経営環境の下、各企業は競争力強化を実現するために様々な取り組みを行っています。企業が競争力強化を実現するには二つのアプローチがあると考えます。 一つは「既に行っている業務を効率化するアプローチ」、もうひとつは「新しいことにチャレンジして成長するアプローチ」です。
どちらも大切ですが、「既に行っている業務を効率化するアプローチ」は、それが実現した場合に効果が見えやすいアプローチです。 それは既に「業務」が存在しており、それを何らかの手段で「効率化」することで「時間を短縮できる」「人手を減らせる」「コストを削減できる」といった変化が測りやすいからからです。
また「業務の効率化」はIT活用との相性がよいアプローチです。ITの進歩は目覚しく、コンピュータは情報の集計や計算といった作業においては人間など足元にも及ばない驚異的な能力を発揮しています。
今や「計算や集計の高速性や正確性」だけではなく、「膨大な情報やノウハウの検索性」「コミュニケーションの多様性」「意思決定時における支援」といった様々な力をITは企業に提供してくれます。それらの力を武器として使うことによって、企業は効果を見ながら「業務の効率化」実現していくことができます。
しかし「ITによる業務効率化」は「ITありきで考えると失敗」するという皮肉な実情があります。たとえばリアルなコミュニケーションができていない組織にグループウェアというITを導入しても機能はしません。また、業務手順が不明瞭な組織に業務パッケージを導入しても、かえって業務の効率化から遠のいてしまうのです。
では、「ITによる業務効率化」を成功させるための第一歩は何でしょうか? それは「現状業務の分析」です。
冒頭でも書いたように「業務の効率化」は効果が見えやすいアプローチです。まずは、現状をしっかり分析し、ゴール(目標)を描き、現状とゴールのギャップを埋めるため対策を実現していきます。その結果、現状からの良い方向に向かう変化が業務効率化による「効果」となるのです。
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2014年04月14日宿澤直正 4/4寄稿へ加筆・修正
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