ポイント:報連相、報告、連絡、相談、業務の効率化、トラブルの原因
本コラム「業務フローから得られる効果とは」は2014年6月13日中部経済新聞「ナビゲーター」に掲載されました内容に一部加筆・修正したものです。
効率的な業務にとって「タイムリーで正確なコミュニケーション」は極めて重要です。現に「トラブルの根本原因の多くは『報連相』の失敗に起因する」があります。まずはビジネスの基本ともいえる『報連相』が正しく行えているか現状を振り返ることが大切です。
『報連相』とは言うまでもなく「報告」「連絡」「相談」です。「報告」とは与えられた業務の結果や経過について限られた時間で正確に述べることです。「連絡」とは業務上の事柄について、その事実や簡単な情報などをタイムリーに関係者に伝えることです。「相談」とは自分自身のある事柄についてどうすべきか判断に迷った時、上司や先輩に参考意見やアドバイスをもらうことです。「報告したつもりだった」「連絡のタイミングが遅れた」「相談ができずに一人悩んだ」…。どれもとても多いトラブルの原因です。
では『報連相』の失敗を少しでも減らすには、どうすればよいでしょうか? その留意点を『報連相』のそれぞれについて考えてみたいと思います。
まず「報告」は「事実と憶測を明確に分ける」ことです。報告に自分の意見をいれることは良いことですが、事実と憶測を混ぜて報告する事は利き手の混乱を招くことになります。また、「伝言ゲームの罠」に陥り、報告が事実と異なる内容に変化してしまう恐れがあります。
次に「連絡」は「重要な事柄は確認を怠らない」ことです。連絡の手段は多様化していますが、FAX、電子メールなどで送信した場合、本人の元に届いたという絶対の保証はありません。当たり前のことですが、重要な連絡は、相手に確実に届いたかどうかを確認することが大切です。「伝えた」ことと、「伝わった」ことは違うことを認識する必要があります。
最後に「相談」ですが「一人で悩みを抱え込まない」ことです。特に責任感の強い人ほど自分の中に仕事を抱え込んで悩んでしまう傾向があります。責任感の強いことは良いことですが、強すぎる責任感はその人の抱え込んでいる悩みを周囲から見えなくしてしまいます。その結果、周囲が気づかないうちに大きな問題に発展してしまう事例は多いです。リーダーや仲間に相談することは、決して恥ずかしい事ではないのです。
『報連相』の留意点を考えてきましたが、その実現手段は、ITの進歩とともに多様化しています。携帯電話、スマートフォンの登場やそれを使った電子メール、グループウェア、ソーシャルメディアなどの登場はコミュニケーションを便利にしてくれています。
しかし逆に便利な手段に頼りすぎるとコミュニケーションでのミスが発生し、業務の非効率を招いてしまいます。だからこそ『報連相』のやり方を振り返り「タイムリーで正確なコミュニケーション」を実現することが、業務の効率化の実現に近づくことになるのです。
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2014年06月23日宿澤直正 6/13寄稿へ加筆・修正
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