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ポイント:時間管理、行動管理、目的、プロセス、スケジュール、投資の時間、経費の時間

時間管理とは何をすることか


時間はそもそも管理できない

 「管理する」という言葉を辞書で調べると、「ある規準などから外れないよう、全体を統制(コントロール)すること。」とあります。そして「時間管理」という言葉も存在します。

 「時間」はただ過ぎ去っていき、時間はどんどん過ぎていくし、それを止めることも、引き延ばすこともできないです。「時間」をどこかに貯めて置いて、必要に応じて(コントロールして)使うということはできないのです。しかし、今の忙しい世の中では「時間管理」が大切だといわれています。

 厳密に言うと「時間そのものを管理」することは出来ないと思います。しかし、「時間そのもの管理」ではなく、「時間の中における行動管理」ならばできると思います。限られた時間の中で、いかに時間を有効に使って行動するかが「時間管理」だと思います。

時間を有効に使う行動とは

 時間を有効に使う行動とはどんな行動でしょうか? それは「行動の目的」「目的にいたるプロセス」「プロセスを実行するスケジュール」の3つが明確になっているものだと思います。

 ひとつめの「行動の目的」はです。目標地点に最短の時間で到着するには、まず「目標地点」が決まっていないことには、正しい方向にスタートができません。そして「目標地点」が明確であれば、例え最短のルートからズレたとしても、微調整の時間がかかるだけで目的地には確実に向っていくことになります。これは時間を有効に使う行動でも同じ事が言えます。

 時間を有効に使う行動における目的では「期限が設定されていること」「具体的であること(イメージできること)」の2つが大切です。ゴールはある程度具体的な期限を決め、客観的に到達の評価できる具体性があることが大切です。

 ふたつめが、「目的にいたるプロセス」です。目的に到るまでに何をしなければならないのか・・・ この項目が紙に書き出せたら私は「8割近く仕事が完了した気持ち」になります。いわゆる自分に対する「見える化」です。「段取八分」という言葉がありますが、まさしくその通りだと思います。

 「目的にいたるプロセス」を考える時に大切なのは「全体展望、優先順位意識しながらプロセスを明確にする」ことです。プロセスが横道に逸れているようであると、時間を有効につかう行動はできません。

 最後が「プロセスを実行するスケジュール」ですが、これを狭い意味で「時間管理」と言うこともあります。しかし、それに到る「目的」や「プロセス」がきちんと明確になっていてはじめてスケジュールを管理する意味が出てきます。

時間に対する意識を変える

 「時間を有効に使う行動」について考えましたが、根本的な課題は「時間をどう使うか」です。「時間」は「空気」のようなものです。当たり前すぎてありがたみを忘れてしまうことがあります。ただどんな人でも一回ぐらいは「時間をお金で買いたい」と思ったことはないでしょうか。夏休みの宿題の提出前、SEならば納期の前、さらには大切な人との待ち合わせに遅刻しそうな時・・・。時間はとても大切なものなのです。

 もし「時間はあたりまえにある」と思っている人がいたならば、時間に対して「大切である」と思うように意識を変えていく必要があります。その時に考えてほしいことが「時間をどのように使っているか」です。

 これまで繰り返してきましたが、「時はカネなり」というように、時間は大切な資産です。 時間の使い方には2通りあります。「時間を投資している」のか「時間を経費として使っている」のかです。つまり、「時間」も「お金」とおなじように、後々役に立ってくる「投資」と、その場限りの「経費」と2種類で考えられるのです。

 「投資」の時間とは、企画・創造的な仕事にかける時間、自己・啓発や勉強の時間、気力・体力の回復に充てる時間などです。「経費」の時間とは非効率な会議・電話にかける時間、遅刻・ダラダラ残業にかける時間、病気や怪我の治療に充てる時間などです。

 なるべく、時間は「投資」の時間として使いたいものです。

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セミナー「時間管理〜時間を有効に使うには」

2008年02月10日 宿澤直正


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