ポイント:問題発見、問題解決、複雑な問題ほどシンプルに、問題発見のフレームワーク
世の中を生きていると、毎日が問題発見・解決の連続だと思います。仕事はもちろんの事ですが、家のことや、日常のこと、そして何より自分の感情などは常に問題だらけです。そんな時は自分の今に役立つ言葉を探して、自分なりに解釈し、納得するのですが、なかなか問題をうまくコントロールできない事が多いです。
これは、問題を感情だけでコントロールしようとしているからだと思います。人は「感情の生き物」ですので、最終的には感情で納得する必要があるのかなとは思いますが、それだけではいけないと思います。なぜなら体調や状況など不確定な要素に左右されすぎるからです。
診断士の先輩がよく言っている言葉があります。「複雑な問題ほどシンプルに考える」です。シンプルに考えるには、自分なりのフレームワークに当てはめるとよいと思います。もちろん、それほど簡単な話ではなく、フレームワークが単純であるほど、それに当てはめるのは複雑になったりします。しかし、単純なフレームワークに当てはめることができれば、こちらのものです。
松下幸之助さんは、月間240の報告書に対して「なんでこんなに報告書がいるの?」と聞いたそうです。「作る人も、読む人も大変だから止めれるものは止めよう」と言うことで、月間240の報告書は40に減り、作業全体が効率化されたそうです。当たり前のように作られて流れていた報告書の量が作業を大変にしていたという問題を発見・解決した例です。
「こんなに報告書がいるの?」という単純な疑問から、問題が発見されて、それが解決される方に進みました。ただ、シンプルに書いていますが・・・
・・・など、いろいろ考えた結果、「40の報告書は残して他はやめよう」という解決につながったのだと思います。
先に、単純なフレームワークに当てはめれれば、問題解決は容易になる、と書きました。では問題解決のフレームワークとはどんなものでしょうか。
私は、「現状−問題=あるべき姿(目標)」という式に当てはめるようにしています。この式を変形させて、「現状−あるべき姿(目標)=問題」という形で考えることもあります。どんな式でもかまいませんが、「現状」「問題」「あるべき姿(目標)」の3つに切り分けて考えると頭が整理されてきます。
これが実はフレームワークなのです。項目が3つだけで、更にその3つの関係が明確である、極めて単純なフレームワークです。ただし、ここのポイントは3つの項目を混同させない事です。
先の報告書が多すぎる状態を3つの項目に当てはめてみたいと思います。まず、「現状」です。今回の場合、「現状」は「報告書が多すぎる」でしょうか? 実はそうではありません。現状は「作業量が多すぎて大変である」です。では「報告書が多すぎる」は何でしょう? これが「問題」になります。よく「現状」と「問題」を間違う場合があります。これを間違えると「問題」を解決しても「あるべき姿」になりません。
では「あるべき姿」は何でしょうか? これも「報告書を減らす」ことではありません。「作業が効率化されて楽になること」です。
最初に「現状」と「問題」を間違ってしまうと、問題解決されても結局何も変わらないということがよくあります。「現状、報告書が多すぎる」→「目標、報告書を減らす」で考えた場合、「作業が大変である」という状態を変える事ができるのかわかりません。「現状、作業が大変である」→「目標、作業を楽にする」と考えれば、「作業が大変である」という状態を、確実に変えることができます。
「現状、作業が大変である」→「目標、作業を楽にする」と考えたとき、その間に入る問題(ギャップ)は何かと考えます。その中で「報告書が多すぎる」という問題発見ができるのです。
もちろん、「報告書が多すぎる」という問題の発見は結構大変です。決して一つの問題だけではなく、それらが複雑に絡み合っていることが多いからです。
問題解決と言うと「問題処理」に注力する事が多いです。しかし一番難しいのは「問題発見」と「問題定義」だと思っています。問題が常識化していると、問題が見えなくなってきます。それを発見して「見える化」することが問解解決のスタートだと言えます。
この問題発見と解決については、また、続きを書きたいと思います。
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2007年01月22日 宿澤直正 記
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