ポイント:組織、変わっていく、気づかせること、改善行動、自分だけが損したくない
組織とは生き物です。普通に生きて、やがて老化して死んでしまいます。しかし、組織は「生まれ変わる」 ことができます。生まれ変わることによって、「新しい生」を得ることができるのです。それが、普通の生き物と違うところと言えます。組織が生まれ変わるには、従業員一人ひとりの「変わっていく」組織への意識が必要となります。
そのためには、従業員一人ひとり、もしくは他の従業員に「気づかせること」ができる何人かのリーダー的なヒトの能力を目覚めさせなければならないと考えます。
その前に「全体最適」という言葉の魔力について考えてみたいと思います。 経営に関する本には「全体最適」という言葉がとても大切な言葉として掲載されています。
企業を良くしていく方法には「部分最適」と「全体最適」があります。「部分最適」とは、企業を構成する各部署、各人がバラバラに最適化されていくことです。「全体最適」とは、みなが歩調を合わせて同じ方向に最適化されていくことと言えます。本では必ず「部分最適を積み重ねても、全体最適とはならない」という表現がされています。
しかし、 言葉で言うほど「全体最適」の実現は簡単ではありません。人という、それぞれ意思や性格をもっている者を画一的に同じ方向に向かせて、同じスピードで成長させていくには常に困難がつきまといます。
私のこれまでの体験からすると、次のような手順が現実的だと考えています。
どちらにしても「組織が変わっていく」には、従業員の能力が眠ったままの組織では変わりようがありません。従業員の能力が眠ったままの組織とはどのような組織でしょうか?
・・・なんてところが挙げられます。「能力が眠ったままの組織ではいけない」と、まずはリーダー、そして、従業員のみんなが気づかなければいけない。そして、目覚めなければいけないのです。
自分だけが損するのは「やっぱり避けたい」との意識を、普通の人は持っています。これは仕方の無い事で、決してその人責める事はできません。
問題というものは、それが「ある」ことは問題ではなく、問題が「解決されない」ことが問題なのです。問題があることは通常、組織の誰かが気づいている事が多いです。しかし、問題に気づいても、それを言う事、ましてや、その解決に動くのに腰が重いのは事実です。その理由は。問題解決に協力はしたいが、仕事だけが増えてしまう。つまり自分だけが損をしてしまうという気持ちです。
その問題によって、人は不便と感じれば動き出すもので、議論が始まることがあります。しかし、「変われない組織」には、変わることを阻害する「何か」がある。その何かとは、組織における「行動の判断基準」だと思います。不便を解消する行動の判断基準が「損か?得か?」だとやっぱり、行動に結びつきません。
しかし、その判断基準が「お客様」「仲間」への思いだとしたら、それは行動に移っていくはずです。この判断基準にするのに大切なのは、組織、仲間への信頼感です。これは組織風土に大きく影響されます。言うは簡単、でも現実は・・・、という感じですが、でも「やはり組織は変わっていかないといけない」のです。
次回は、今回の続きで、では「改善行動がしやすい組織」とは何かを考えてみたいと思います。
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2006年06月26日 宿澤直正 記
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