ポイント:モチベーション、失敗不安、強いこだわり、やりたいこといっぱい、燃え尽き、やる気
前回列挙した4つのタイプについて考えてみます。
このタイプは、締め切りギリギリまで仕事に取り掛かれません。ちょっと面倒なことになると気がのらなくなり、日常の単純作業につい手が伸びてしまうのです。やらなければならないことにいざ取り掛かろうと思っても、ついつい他のことが気になって集中できず、結局なかなか取り掛かれない状態が続きます。
なぜ、仕事に取り掛かれないのでしょうか? それは「失敗が怖い」からです。別の言い方をすると「なんでも上手くやろう」とするからです。失敗が怖いから仕事が手につかず、どんどん締め切りが近づいてきてモチベーションを下げていきます。
このタイプは責任感が強く「真面目で頑張り屋さん」が多いです。ただ、いつまでも失敗を怖がっていてもしかたがないので、とりあえずは「ヤル気」が起きなくても取り掛かってみることです。
考えすぎて不安が膨らみすぎないうちに、想像を強制的にストップさせることが必要です。たとえば「今しなければいけない作業に関係ないものは片付ける」とか「先送りにしがちな仕事は、アラームをセットして、アラームがなったら何も考えずに取り掛かる」といった方法が有効でしょう。
予定外の急な仕事などで計画が狂ってしまうと気分が乗らなくなってしまうタイプで、気がかりな事など、周りの環境に気分が影響されます。イヤなことが頭から離れなくて、しばらくの間イライラしたり落ち込んだりするのです。
このタイプの人は、「計画通りに行動したかった」ということに強い「こだわり」を持っています。その「こだわり」が砕けたときに、モチベーションがさがるのです。ただ、「こだわり」や「期待」は、自分にとっての理想、願望、要望、希望で、それを達成したいと思うのは自然な感情であるので、否定するものはありません。
まず、自分がどのような「こだわり」や「期待」をもっているのかに気付く事が大切です。イライラしたり、ガッカリした時に「○○したかった」「○○であるべきだった」と紙に書き出すことで自分の気づかなかった「こだわり」を知ることができます。
自分のこだわりの文章を、「○○できるに越した事はない」「○○であることに越した事はない」といった表現に書き換えてみると、意外と自分の「こだわり」が重大でないことも多いことに気づきます。
このタイプは好奇心が旺盛で、やりたいことが次から次へと浮かんできます。積極的にいろいろなことに取組もうとするのでが、結局どれも中途半端に終わってしまうのです。次から次へといろいろなことに興味が湧いてひとつのことに集中できず、結局ヤル気が長続きしないのです。
このタイプのヒトは頭の回転が速く、次々に失敗を回避するアイデアが浮かんできます。しかし、そのアイデアを具体的に表現する前に新たなアイデアが浮かんでしまい考えがまとまらない状態が続き、結局モチベーションを下げてしまいます。
「やる気のある自分に出会える本(笹氣健治著)」では、思考速度と表現速度の違いにより、思いついたものを具体化できず、焦りや苛立ちを招くと表現していました。このタイプは無理にアイデアを具体化しようとせず、ICレコーダなどにしゃべりながら記録していくとも書いてありました。なるほどですね。
このタイプが一番深刻です。このタイプの特徴は、一生懸命がんばってきたのに、ある日突然、何もかもヤル気がおきなくなってしまう・・・。今まで自分がやってきたことがどうでもよく思えてしまう・・・。自分が何をしても無意味だと感じてしまう・・・などです。
どんなに頑張っても、「成果が得られていない」「プラスの評価がない」「批判的な人の存在」「終わらない仕事」「達成不可能な目標」といった状態が続くと、だんだん心も体も疲れてきます。心も体もやがては回復するのですが、回復する前に次の「疲労」がやってくると、やがて「疲労」が慢性化してきます。
すると何もしたくない「燃え尽き状態」になっていきます。この状態になったら休むしかありません。「仕事で休めない・・・」とてもその気持ちはよくわかります。私も以前この状態に陥り、病気になりました。仕事で休まずに病気になるともっと周囲に迷惑をかけてしまいます。・・・というよりも病気になってしまう自分がかわいそうです。「休む」というのは勇気ある決断であると考えてほしいです。
私自身、一度「燃え尽きた」事があります ^^; それは「心の病気」という形で表面化しました。その時、強制的に仕事を休むことになりましたが、そのおかげで「燃え尽き」からなんとか復活することが出来ました。本人は「大丈夫」と思っていても、体は、心は疲れているものです。「疲れた」時は自分に素直に、勇気を持って休むべきだと思います。
参考
「やる気のある自分に出会える本(笹氣健治著)」
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2007年09月10日 宿澤直正 記
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