2011年5月 5日

「ぼくを探しに(シルヴァスタイン著)」を読んで

 自分の進みたい方向が見つからなかったり、自分の思う通りに仕事が進まず、焦ったり、悩んだりすることはありませんか?

 私はシステムエンジニアでしたが、心と体の疲れから病気になり職を辞しました。そして自分が何をしてよいのか分からず、悩み続ける日々が続きました。そんな中、中小企業診断士事務所を立ち上げ、中小企業へのコンサル活動を行なうようになりました。これで自分のすべきことが見えるかと思いましたが、答えのない事務所経営は、更なる悩みの連続でした。

 今回紹介させていただきたい本は「ぼくを探しに」というシルヴァスタイン氏の絵本です。ストーリはとっても単純です。主人公の「ぼく」は一部が欠けた玉のような形をしています。その自分のカケラを探しに旅に出ますが、一部が欠けているので、まっすぐ転がることができません。様々な障害にぶつかりながらの旅が続きます。

 ある日、自分のカケラを見つけることができ、「ぼく」は完全な玉になりました。すると転がるスピードはとても速くなり、これまで見えていたものがみえなくなりました。これまで「無駄」と思っていた出来事の大切さに気付いた「ぼく」はカケラを外し、また「試行錯誤」の旅を続けていきます。

 私の人生は「悩み」の連続ですが、それは「試行錯誤」の日々と言えます。この「試行錯誤」こそが、人生を豊かにする大切な経験であることが今はわかるようになってきました。特に今のコンサルタントという仕事では「試行錯誤」の経験が相手の共感を得ていると感じます。

 一部分が欠けた玉の「ぼく」ように「試行錯誤」しながら転がることが自分には合っていると今は確信しています。