[事務所TOP] [上へ戻る]

ポイント:ビジネスブログ、マーケティングツール、RSS、アップデートピング、会社広報メディア、社長ブログ、双方向性、コミュニティ、ブログのリスク

総務省の事例集で見るビジネスブログの特徴


ビジネスブログというジャンルが確立しつつある

 昨年の12月に総務省が「ビジネスブログ・ビジネスSNSの活用事例集」を発表した。ビジネスブログ、ビジネスSNSといっても、あまりなじみの無い言葉かもしれないが、最近では本屋にも、ちらほら専門の本が出てきている。ビジネスブログというジャンルが確立しつつある事を感じる。

 今回のコラムでは、その総務省の事例集を調査の結果、いくつかの特徴的なブログの利用方法が見えてきたので報告をしたいと思う。ただ「ビジネスブログ・ビジネスSNSの活用事例集」には膨大な事例が掲載されており、全ては確認できていない。また、ビジネスSNSに関しては、また日を改めてコラムに書きたいと思う。

 今回の事例集では、企業名やURLもかなり詳しく載っており、大変有益である。ただ、今回のコラムでは企業名は出さずに、大きく以下の3つの特徴で概要をまとめてみたいと思う。

ビジネスブログの活用事例の概要について

(1)マーケティングツールとして活用

 トラックバックや、コメントといったブログの持つ双方向性を上手く活用することにより、ブログをマーケティングに活用していく方向性が今後考えられる。

 商品を販売する企業のブログで、商品に興味があるお客さんと双方向で意見交換できれば、ダイレクトにお客さんのニーズが商品に反映されていくことが可能である。読者の意見の中には商品の批判、好意的な支援、開発者が考え付かないような特徴や問題点の発見がある可能性がある。

 ブログをマーケティングに利用する際に得られる情報は商品情報だけではない。アフターサービスに対するクレーム、開発の意図とはまったく違う利用方法の紹介、多種多様な購入にいたる経緯なども得られる情報として考えられる。お客さんと双方向でつながるブログからは新たな着眼点、予想もしないニーズが隠れている可能性がある。

 また、ブログにはRSSやアップデートピングといった、ネット上での波及効果を高めるための機能が含まれている。このような、ブログのもつ優れた双方向性やネットの波及性をマーケティングに上手く活用して成功している事例がいくつか載っていた。

(2)会社広報のメディアとして活用

 通常のホームページにある少し堅いイメージである会社紹介ではなく、社長ブログや社員ブログといった社長の考えや、現場の雰囲気がストレートに伝わる手段で、読み手に会社への信頼感を持ってもらうために更新が容易なブログを活用する方法である。つまり、ブログが会社の広報的な役割を果たしているのである。

 「マーケティングツールとしてのブログ活用」がBtoCで有効ならば、この「会社広報のメディアとしてのブログ活用」する方法はBtoBで有効と考える。BtoCとBtoBとではターゲットが異なるので当然売るものが異なっている。BtoCでは商品、BtoBでは会社の信用を売るといわれている。取引先として信頼できるかという視点で見られるBtoBでは社長の考えや、現場の雰囲気がストレートに伝わる「会社広報のメディア」としてのブログ活用が有効になるのである。

 また、この方法は「人材採用の際の会社PR」としても有効であると考える。

(3)ホームページの機能補完として活用

 これまで「マーケティングツールとしてのブログ活用」や「会社広報のメディアとしてのブログ活用」をブログのビジネス活用としてあげてきたが、少し視点を変えると、通常のホームページの機能補完としてブログをビジネス活用している例もある。

 例えば、ある事例では、ブログの更新の容易性に目をつけ、ホームページは販売所、ブログは井戸端会議場、という風に、それぞれの目的に応じて利用をしている。ホームページでは商材に関する情報に偏りがちだが、ブログでは販売目的以外の情報発信が可能となり、結果、顧客との親密度が増すことから、販売にも大きな効果があるとの事である。

 ホームページには、それほど変化のない部分を掲載する。例えば、会社案内、主要業務、求人情報、IR情報などの堅い情報、言い換えれば、会社のパンフレットとしての役割をもたす。一方のブログには社員インタビュー、社長の言葉、会社の出来事・ニュースといった親しみのわくような情報、言い換えれば社内報の役割をもたす。

 ホームページとブログを併用するようなサイト形態を採用することで、落ち着きと活気の両方を併せ持つサイトが実現することになる。

 また、ブログにはRSSやアップデートピングといった優秀な情報発信のための仕組みがある。ホームページではブログに比べてインターネットへの波及度として弱い部分があるが、そこをブログで上手く補完する事が可能である。そういった意味で、RSSでの情報発信に工夫をこらしている事例では、ブログはカテゴリごとにRSSを用意し、顧客が欲しい情報に早くたどり着けるような工夫をしている。RSSの導入で、問い合わせや引き合い等が増えており、売上に大きく貢献しているとのことである。

ブログのビジネス活用の方向性のまとめ

 ブログのビジネス活用の大きな目的は、自社の商品、もしくは自社そのもののファンのコミュニティを創生し、そこから様々な付加価値を得る事であるとも言える。ブログを活用し、企業と顧客が対話することで、企業と顧客で思いを通じ合わせる事ができ、また、企業側では思いもつかなかった商品のニーズが浮かび上がることもある。

 ブログのビジネス活用は大きな可能性を秘めている。ただし、ブログは最新のIT応用であり、まだ、実績、事例が少ない。今後、企業でブログのビジネス活用が促進されていると考えられるが、実績が少ないことや少なからず報道されているブログに潜むリスクにより、ブログの導入に消極的な企業があるのも事実である。

 ただし、これまで見てきたようにブログは様々なビジネス活用に有効なツールであることみえてきている。そのツールを有効に活用するためには、予めブログに潜むリスクの大きさや、その回避方法、対策を理解しておく事が必要である。

 後日、このブログに潜むリスクに関してまとめてみたいと思う。

参考
「ビジネスブログ・ビジネスSNSの活用事例集(総務省)」
「実践ビジネスブログ(松本英博著)」

関連コラム
携帯サイトに人を集めるには(後編) 2007年07月30日記述
携帯サイトに人を集めるには(中編) 2007年07月23日記述
携帯サイトに人を集めるには(前編) 2007年07月09日記述
Web2.0的発想でのマーケティングモデル(後編) 2007年06月18日記述
Web2.0的発想でのマーケティングモデル(前編) 2007年06月11日記述
ネットとリアルを融合させる新しい動き 2007年05月08日記述
ネットビジネス成功に向けての私の思うこと 2007年04月23日記述
ネット(仮想社会)とリアル(実物社会)の融合 2007年03月12日記述
Web2.0でいわれる進歩的性善説とは 2007年03月05日記述
検索キーワードの選び方 2007年02月26日記述
Webサイトの集中化戦略と分散化戦略 2007年02月12日記述
個性を大切にする時代とロングテール 2007年02月05日記述
Web2.0の7つの定義をひとつのストーリに 2007年01月29日記述
携帯ネットビジネスの話題あれこれ 2007年01月15日記述
Web2.0的発想による口コミの見える化 2006年12月25日記述
ブログで世の中が見える 2006年11月27日記述
Web2.0の落とし穴とWeb2.0への批判 2006年09月18日記述
Web2.0が消費者に与える影響 2006年09月11日記述
Web2.0の基礎知識 2006年09月04日記述
ネットショップをAIDASで考える 2006年08月06日記述
ブログを商売に役立てる 2006年06月19日記述
RSSの活用範囲が広がっている 2006年05月29日記述
イントラブログで「暗黙知」を「形式知」へ 2006年05月22日記述
Web2.0に絡んでくると思われる技術 2006年05月08日記述
Web2.0とは、そしてWeb2.0にからむ現象 2006年05月01日記述
ビジネスブログに潜むリスク 2006年03月20日記述
総務省の事例集で見るビジネスブログの特徴 2006年03月13日記述
CGMの普及を後押しするWeb2.0とフィード 2006年01月30日記述
ブログとSNSの性格の違い 2005年12月05日記述
ブログとSNS(ソーシャルネットワーキングサイト)2005年10月24日記述
ブログについて思うこと 2005年7月11日記述
実名でのネット活用促す総務省 2005年7月04日記述
RSSについて 2005年6月13日記述

2006年03月13日 宿澤直正


[事務所TOP] [上へ戻る]

Copyright (C) 2005 宿澤経営情報事務所