[事務所TOP] [コラム一覧へ]

ポイント:Web2.0、マッシュアップ、ロングテール、フォークソノミー、Ajax、ブログ、RSS、パーマリンク、LAMP、WebAPI

Web2.0に絡んでくると思われる技術


Web2.0に絡んでくると思われる技術

 前回のコラムで「Web2.0とはWeb業界の様々な新しい技術を総称した概念」であり「Web2.0はユーザー参加型」「Web2.0は双方向性の充実」「Web2.0はユーザーフレンドリー」などという定義とともに、目指すところは「参加型のアーキテクチャ」と言えそうであると書きました。そして、それを表す現象として「マッシュアップ」「ロングテール」「フォークソノミー」などあります。

 今回のコラムではWeb2.0に絡んでくると思われる技術をいくつかピックアップしてメモってみたいと思います。私はWeb2.0の技術に関しては素人ですので、また例によって自分の頭の整理用のメモになってしまいます・・・。ご了承ください。

 日経SYSTEMS5月号では、Web2.0に絡んでくると思われる技術が「Webの使い勝手を良くしたい」と「魅力的なサービスを提供したい」という2つの視点で列挙してあります。それぞれを自分整理用にまとめてみたいと思います。

Webの使い勝手を良くしたい技術

 使い勝手をよくするためのポイントは「Webの操作性の向上」と「情報分類のし易さ」のようです。「Webの操作性の向上」としてAjaxがあり、「情報分類のし易さ」として、RSSやパーマリンク、そして今回は調べていませんが、マイクロフォーマット、ソーシャルブックマークがあると思います。そして総合的なものとしてブログやSNSがあるのだと考えています。

Ajax : Webビジネスの操作性を高める

 Ajaxは、その技術だけで何冊も本が出ていますね。最初にGoogleのMapsを操作したときの衝撃は今でも忘れられません。

 AjaxとはWebブラウザに実装されているJavaScriptのHTTP通信機能を使って、Webページのリロードを伴わずにサーバとXML形式のデータのやり取りを行なって処理を進めていく対話型Webアプリケーションの実装形態です。

 従来、Webブラウザを使ったWebアプリケーションでは、データをサーバに通知して処理結果を得るにはページ全体をロードしなおさなければならないので、ネイティブアプリケーションのような操作性を得ることは困難でした。Ajaxでは、指定したURLからXMLドキュメントを読み込む機能を使い、ユーザの操作や画面描画などと並行してサーバと非同期に通信を行なうことで、サーバの存在を感じさせないシームレスなWebアプリケーションを実現することができます。

 まだ、操作したことがない方は、ぜひGoogleマップを操作してみてください。

ブログ : より簡易な情報発信手段を用意

 ブログは今更言うことはないくらいにインターネットで市民権を得ていますね。個人や数人のグループで運営され、日々更新される日記的なWebサイトの総称です。内容としては時事ニュースや専門的トピックスに関して自らの専門や立場に根ざした分析や意見を表明したり、他のサイトの著者と議論したりする形式が多く、従来からある単なる日記サイト(著者の行動記録や身辺雑記)とは区別されることが多いようです。

 また、CMS(コンテンツマネジメントシステム)としての側面を重視し、時系列にページの自動生成する機能や他のサイトの記事との連携機能(トラックバック)、コメント機能などを備えたブログシステムで運営されているものはすべてブログだとする立場もあり、明確な定義をするのは難しそうです。

 Web2.0を「参加型のアーキテクチャ」と定義つけると、ブログはWeb2.0の技術の宝庫ですね。簡単に更新ができる機能はもちろんですが、標準対応のRSSやトラックバックも「参加型」というキーワードを促進していると思います。

RSS : 情報の検索性を高める

 RSSはブログの箇所でも名前が出てきましたが、何もブログ特有の機能ではなく、Webサイトの見出しや要約などのメタデータを構造化して記述するXMLベースのフォーマットのことです。主にサイトの更新情報を公開するのに使われています。

 RSSで記述された文書には、Webサイトの各ページのタイトル、アドレス、見出し、要約、更新時刻などを記述することができ、RSS文書を用いることで、多数のWebサイトの更新情報を統一的な方法で効率的に把握することができます。

 指定したサイトのRSS情報を取り込んで更新状況をまとめたWebページを生成するアンテナ(巡回)ソフトや、デスクトップに指定したサイトの更新情報を表示するティッカーソフトなどが開発されおり、また、ニュースサイトや著名なウェブログなどでは、更新情報をRSSで公開するところが増えています。

 私がWeb2.0という言葉を最初に知ったのは、実はRSSです。RSSの登場により「情報を探索しにいく」から「情報を待ち受けする」にネット利用者の行動形式が変わるかもしれないと指摘されたときは「なるほど」と思いました。

 RSSフィードという言葉もよく聞くと思います。RSS形式のデータを提供すること。また、提供されたRSSデータです。基本的にはRSSと同じように使われていますね。

パーマリンク : 情報の検索性を高める

 Permanent link(固定的なリンク)の略。パーマリンク。Webサイトにおいて、内容を更新しても変化しないURLのことで、パーマリンクが提供されていると、ほかのWebページからリンクしやすくなります。

 普通にHTMLでホームページを書いている方にとっては、「更新しても変化しないURL」という言い回し自体がわかりにくいと思います。HTMLでホームページを書いている方にとってはHTMLのファイル名を決めれば、それがURLになり、変わりません。

 しかし、Web2.0の視点で考えたとき、ブログでも出てきた、動的にページを作成するCMSの存在なしでは語れません。動的にページを作成するCMSでは、ページを更新するとURLも変わってしまう事があります。そのようなページとリンクしたいときに使うのが、パーマリンクというわけです。

魅力的なサービスを提供したい技術

 日経SYSTEMS5月号では、変えやすくシンプルに作る方法としてREST、コストを抑えて作るとしてLAMP、外部のよいサービスを取り込むとしてWebAPIなどが紹介されています。

LAMP : コストを抑えて作る

 コストを抑えて作るとしてのLAMPがWeb2.0とどのような関係にあるのかはイマイチ理解できませんでしたが、よく考えるとWeb2.0で語られるソフトウェアの多くがXoopsをはじめとして、オープンソースであることに気づきました。つまりWeb2.0を支えるインフラ提供がLAMPの役割なのかなと思います。

 LAMPの説明がまだでしたが、データベース連動型のWebアプリケーションを開発するのに人気の高いオープンソースソフトの組み合わせのことです。OSにLinux、WebサーバにApache、データベースにMySQL、プログラミングにPHPかPerlかPythonを用いたシステムのことです。

WebAPI : 外部のよいサービスを取り込む

 そして、社外のよいサービスを取り込むとしてのWebAPIはWeb2.0の現象である「マッシュアップ」にとてもわかりやすく貢献していると思います。GoogleやAmazon、Yahooのように、データやサービスを公開するサイトが増えています。公開されたデータやサービスをうまく組み合わせて、新しい付加価値のサイトを生み出す。まさしく「マッシュアップ」です。その公開された仕様のことをWebAPIといいます。その代表格は、Googleマップは大量のマッシュアップを生み出しました。

 WebAPIはマッシュアップされたサイトを使うのも面白いですが、是非、自分のサイトで使ってみたいですね。・・・という訳で、私も是非、挑戦してみたいと思います。

参考
「日経SYSTEMS5月号」
「Web2.0 BOOK(インプレス)」
e-Words
はてな

関連コラム
携帯サイトに人を集めるには(後編) 2007年07月30日記述
携帯サイトに人を集めるには(中編) 2007年07月23日記述
携帯サイトに人を集めるには(前編) 2007年07月09日記述
Web2.0的発想でのマーケティングモデル(後編) 2007年06月18日記述
Web2.0的発想でのマーケティングモデル(前編) 2007年06月11日記述
ネットとリアルを融合させる新しい動き 2007年05月08日記述
ネットビジネス成功に向けての私の思うこと 2007年04月23日記述
ネットビジネスを始める方へ 2007年04月16日記述
ネット(仮想社会)とリアル(実物社会)の融合 2007年03月12日記述
Web2.0でいわれる進歩的性善説とは 2007年03月05日記述
検索キーワードの選び方 2007年02月26日記述
Webサイトの集中化戦略と分散化戦略 2007年02月12日記述
個性を大切にする時代とロングテール 2007年02月05日記述
Web2.0の7つの定義をひとつのストーリに 2007年01月29日記述
携帯ネットビジネスの話題あれこれ 2007年01月15日記述
Web2.0的発想による口コミの見える化 2006年12月25日記述
ブログで世の中が見える 2006年11月27日記述
Web2.0の落とし穴とWeb2.0への批判 2006年09月18日記述
Web2.0が消費者に与える影響 2006年09月11日記述
Web2.0の基礎知識 2006年09月04日記述
ネットショップをAIDASで考える 2006年08月06日記述
ブログを商売に役立てる 2006年06月19日記述
RSSの活用範囲が広がっている 2006年05月29日記述
イントラブログで「暗黙知」を「形式知」へ 2006年05月22日記述
Web2.0に絡んでくると思われる技術 2006年05月08日記述
Web2.0とは、そしてWeb2.0にからむ現象 2006年05月01日記述
ビジネスブログに潜むリスク 2006年03月20日記述
総務省の事例集で見るビジネスブログの特徴 2006年03月13日記述
CGMの普及を後押しするWeb2.0とフィード 2006年01月30日記述
ブログとSNSの性格の違い 2005年12月05日記述
ブログとSNS(ソーシャルネットワーキングサイト)2005年10月24日記述
ブログについて思うこと 2005年7月11日記述
実名でのネット活用促す総務省 2005年7月04日記述
RSSについて 2005年6月13日記述

2006年05月08日 宿澤直正


[事務所TOP] [コラム一覧へ]

Copyright (C) 2005 宿澤経営情報事務所