ポイント:ブログ、RSS、RSSリーダー、ティッカーソフト、Web2.0、ウェブ広告、サイト更新情報
以前、RSSについてというタイトルでコラムを書かせてもらいました。1年ぐらい前の話です。その時に書いたコラムはRSSについて通り一編の事しか書いておらず、内容がとても薄かったです。1年たち、今様々な分野、方法でRSSは鍵となっています。メール、ウェブに続く第3の新しいインターネット活用手段とまで言われているようです。
よく、RSSの説明に「ウェブページの更新情報を自動的に”送信”する」ということが書いてあります。これは仕組み的に見ると厳密には違います。ただ、利用者からみれば正解です。ややこしいですね。RSSはあらかじめ、情報をとってきたい「ウェブサイトのRSSファイルにアクセス」し、その内容が更新されていたら、更新情報を知ることができます。つまり、相手のウェブサイトにアクセスして情報を得るのです。決して相手から、情報が送られてくるものではないのです。
今、説明したように、情報発信には、プッシュ型とプル型があります。プッシュ型の代表は「電子メール」、プル型の代表が「ウェブ」です。RSSは「送信する」とのことなので電子メールと同じくプッシュ型と言えそうですが、実はウェブと同じ「プル型」なのです。
これは、RSSの特徴によく現れています。ひとつめの特徴はユーザーは自ら選択したウェブサイトのRSSからしか情報を取得しないため、メールのようにスパムメールが送られることがないということです。膨大なスパムメールから開放され、なおかつ自分の欲しい情報を確実に取得できるのは大きなメリットです。
もうひとつの特徴は、自分のサイトに置いたRSSファイルにアクセスが集中すると、サイト自体の負荷が高くなると言うことです。メールであれば、送信時の負荷のみですが、RSSだと、ユーザーのチェック時に都度アクセスがあるので、サイト負荷の予測が立てにくいという問題が有ります。こちらはデメリットですね。
ただ、こちらの2つの特徴を考えた場合、ユーザが欲しい情報を自らの意思で取得できると言うひとつめの特徴がWeb2.0の特徴である「ユーザー主導」に、よりマッチしていると思います。
RSSに関して、情報発信に観点から考えてみましたが、実態は特に新しい技術というわけではなく、XMLによる特定の書式の仕様を指します。これも「これまでの技術を使った新しいWebの使い方」というWeb2.0に話に合うと思います。
RSSはいろいろなバージョンがあることが、その理解をややこしくしています。それはそれとして、RSSリーダーは複数のバージョンに対応している事が多いので、ユーザー側はそのバージョンに神経質になる必要はないでしょう。
RSSで提供する情報は以下の4つです。
他にも付加的情報が追加される事がありますが、基本的にはこの4つがあれば十分です。
この付加的情報の代表選手がポッドキャスティングと言えると思います。ポッドキャスティングのように、市民権を得れば問題は無いですが、様々なRSSの拡張サービスが乱立しつつある現状は、少し危惧を覚えます。「このRSSの拡張版を見るためには、このRSSリーダーが必要」となってしまうと、「様々なメディアから欲しい情報を集約する」というRSSの本来の目的が薄れてしまい、RSSの普及が遅れてしまうのではないかと思うからです。
「RSSの今後の展望」などとというたいそうなサブタイトルですが、あくまでも現状から予測される展望です。今年の2月にある企業で、ビジネスブログとRSSを絡めた講演会をしました。その時話した流れは大きく変わっていませんが、予想以上のスピードで進歩しています。まだ、あれから4ヶ月です。Webに関しては、本当に恐ろしいスピードで進歩していますね。
まず、RSSの普及は加速すると思います。これから、RSSリーダーもメーラー型、ティッカー(電光掲示板)型のそれぞれで新しい使いやすいソフトが出てくると思います。中にはブラウザと一体化しているものも出てきています。RSSという言葉はなじまなくても、この情報収集手段は正しく時代にあっています。
今は「必要な情報を必要な分だけ」の時代になりつつあると感じます。CD1枚を買うよりも欲しい楽曲だけをダウンロードするようなスタイルはその例です。そう考えると、RSSもサイトの概念を崩してしまうかもしれません。
これまでは、サイトのトップページ(最近ではフロントページというのですかね)が重要でした。最近の傾向としてはトップページを経由せず、そのまま見たい情報のページに直行することが多くなってきているようです。
私の事務所サイトもRSSで情報配信をしていますが、トップページを経由せず、いきなりコラム等の必要な情報のページに入ってくる方が多いようです。今ではトップページは更新情報を伝えるだけのページになっています。
こうなってくると、ウェブ広告の考え方も変わってきそうです。これまではトップページに広告を出すのが普通でしたが、もしかしたらその価値観も変わっていくかもしれません。また、RSS自体で広告を流すモデルも出てくると思います。
まだまだ、Webの新しい使い方(Web2.0と言われているもの)では、しっかり情勢を見ないといけない事が多いです。ただいま情報収集中&活用方法模索中です。
参考 「Web2.0への道(インプレスR&D)」
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2006年05月29日 宿澤直正 記
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