ポイント:携帯ネットビジネス、市場規模、モバイルビジネス、モバイルコンテンツ、モバイルコマース、携帯サイト検索サービス、携帯とPCの連携
ここ数ヶ月で携帯ネットビジネスに関しての仕事が数件あり、継続していろいろ調べています。携帯ネットビジネスの市場が急速に拡大する中、その市場に参入を考える人が、かなり増えてきています。またWeb2.0の7つの定義に「単一デバイスの枠を超えたソフトウェア」とあり、パソコンに限定されず、携帯電話やPDA、デジタル家電にも提供されるサービスが増えていく、という話も携帯ネットビジネスへの関心の高まりを後押ししているように思います。
半年ぐらい前になりますが、「モバイルコンテンツの産業構造実態に関する調査結果」が発表されました。半年前なので、もう既に少しデータが古いのかもしれませんが、急速に携帯ネットビジネスの市場が拡大している事がわかります。この調査の冒頭に「本調査は、携帯電話インターネットのいわゆる「公式サイト」上で展開されるビジネス(モバイルビジネス)を対象として実施。」とあるので、実際の市場規模はもっと大きいのではないかと思います。
調査では、モバイルビジネスを「モバイルコンテンツ」と「モバイルコマース」に分けています。モバイルコンテンツとは、着信メロディ、着うた、モバイルゲーム、静止画(待ち受け画像、グラビア等)、動画、占い等を指しています。一方のモバイルコマースは物販系(通販)、サービス系(チケット、旅行宿泊予約等)、トランザクション系(証券取引、オークション等)を指しています。今、私のところにきている案件は、ほとんどが物販系、サービス系です。
トランザクション系は個人投資家の増加を背景に爆発的に増えています。ただし、物販系、サービス系も市場規模の拡大割合としては驚異的な数字です。詳しくは先の総務省の調査のページを参照してください。
物販系 | 1,542億円 | 前年比 59%(573億円)増 |
---|---|---|
サービス系 | 1,646億円 | 前年比 39%(463億円)増 |
トランザクション系 | 886億円 | 前年比 100%(445億円)増 |
これまでモバイルビジネスを支えてきたのでは、着信メロ、着うた、モバイルゲームといったモバイルコンテンツだと思います。これらの市場も継続して成長していくと思います。それにモバイルコマース市場の急成長を加え、全体のモバイルビジネスの市場が大きく拡大していく事になると思います。
携帯サイトにもキーワード検索機能がついたのは、よく知られていると思います。私はauを使っていますが、ある日、突然Googleの検索窓がついて驚きました。Googleの機能によってPCサイトの内容が携帯サイトとして見えるので、PCサイトで情報を探すことが慣れている私には重宝しています。
まだまだ携帯サイトではディレクトリ検索が主流です。しかし、携帯サイトの検索サービスが充実してくると、携帯向けのSEO/SEMなどのテーマが出てくるかもしれません。現状ではPCサイトでのSEO対策と携帯向けSEO対策に大きな違いはなさそうです。しかし前述しましたが、携帯サイトの検索サービスはこれからもっと充実してきます。それにともなって、携帯ならではのサービスを展開するサイトが上位に表示されるような検索エンジンの登場も考えられます。そうすると、今の携帯ネットビジネスの有り方が大きく変わってくるのではないかと思います。
ネットインフラ整備の進行、ブログやSNSの登場・普及で、PCネットビジネスも大きく市場を増やしつつあります。今は携帯ネットビジネス、PCネットビジネス両方から目が離せません。携帯ネットビジネス、PCネットビジネスにはそれぞれメリット・デメリットがあります。それを活かしながら全体のビジネスモデルを作っていく必要があります。
よく言われる、携帯とPCをそれぞれ端末として使った場合の違いですが、以下のような事があげられます。
■PC特に、携帯は「常に持ち歩いている」ということが大きな特徴だと思います。「常に持ち歩いている」端末への情報提供ということでいろいろなビジネスモデルが考えられます。リアルタイムの携帯、情報量のPCという棲み分けが一つの考え方としてすることができます。
また、携帯メールの開封率が約8割であると言う事も大きな特徴です。最近のPCメールはスパムメールが多くて、タイトルだけでメールを消してしまう場合が多いです。携帯メールの場合は、まだそこまでスパムメールが多いわけではないので、開封率が高いのだと思います。
携帯ネットビジネスは、既に仕事の依頼も数件きており、力を入れていかなければならないテーマです。今後も情報提供を続けていきたいと思います。
参考
「モバイルコンテンツの産業構造実態に関する調査結果(総務省)」
「月間ネットショップ&アフェリ 2006年10月号(サイビス)」
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2007年01月15日 宿澤直正 記
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