[事務所TOP] [コラム一覧へ]

ポイント:Web2.0、7つの定義、次世代Web、データは次世代の「インテルインサイド」、集合知

Web2.0の7つの定義をひとつのストーリに


Web2.0の7つの定義

 次世代Web(Web2.0)について、いろいろな側面からみた話があります。特にWeb2.0の7つの定義からみてみると、個々の定義の説明はあるが、個々の定義を横断した話はあまりないようです。定義を横断すること自体にあまり意味はないかもしれませんが、7つの定義から、Web2.0を考えた場合、バラバラに理解してしまうとなかなか理解しにくいので、少し流れを見てみたいと思います。

 まず、7つの定義の簡単な復習です。これをひとつひとつ理解しようとすると、今のWebの動きが分からなくなってきます。

データは次世代の「インテルインサイド」から開始

 まず、Web2.0と言えば、「ユーザー参加」と説明している場合が多いです。これは2番目の「集合知の利用」が最もイメージしやすいです。この切り口でWeb2.0を説明している場合が多いです。

 ただ今回はあえて、利用者ではなくWebサービス提供者の方から考えて「データは次世代の『インテルインサイド』」からスタートしてみたいと思います。

 「データは次世代の『インテルインサイド』」ということをもう少し分かりやすく言うと、データのデファクトスタンダードの獲得と言えると考えています。今、多くのWebサービスが登場しています。無料で使えるWebサービスが多いわけですが、これはデータのデファクトスタンダードの獲得を目指していると言えます。ちょうど、マイクロソフトが無料でブラウザ(IE)をWindowsにバンドルして、ブラウザのデファクトスタンダードの獲得したのと同じことを目指していると考えられます。ティム・オライリー氏はインテルを例に出しましたが、私はマイクロソフトの例が分りやすいです。

 ここで、Webサービスの流通競争が起きました。自社のWebサービスを流通させれば、それだけ利用者が増え、それを使って新たなサービスを生み出す人が増えてきます。そうすれば、また、そのWebサービスにデータが蓄積され、また多くの人に使われるようになります。これがポジティブスパイラル(好循環)をなしていきます。

結論としての「集合知の利用」

 ここで、なるべくサービス提供者が使いやすいように、よいWebサービスを提供し続ける必要が出てきました。この「サービス提供者が使いやすいように」の部分が「軽量なプログラミングモデル」にあたり、「よいWebサービスを提供し続ける」が「ソフトウェアリリースサイクルの終焉」にあたります。これにより、今では、よりよいサービスが次々と生まれています。

 よいサービスを、より多くの人に使ってもらうために、OSを意識することなく、ウェブにアクセスできればいつでもどこでも誰でも使えるWebサービスを提供する「プラットフォームとしてのウェブ」や、PCだけではなく、携帯電話やPDA、ゲーム機器でもWebサービスを利用できるようにする「単一デバイスの枠を超えたソフトウェア」は、Webサービスの利用者を増やすことに貢献しました。特に携帯ネットビジネスの市場はかなりの勢いで拡大しています。

 そして、ユーザー志向でつくられたWebサービスは、使い手に「リッチなユーザ体験」を提供し、これまでインターネットは見るだけだった人も、自分で情報発信を行なえるようになってきています。それがブログであったり、SNSであったりしています。ユーザーが自分の言葉発する事により、ユーザーの発言力が増し、モノの購入時の意思決定に他の消費者の口コミ(ネットへの書き込み)を重視するようになりました。これが「集合知の利用」と言えます。

 このように、少し無理やりなところもありますが、Web2.0の7つの定義がひとつのストーリになりました。7つの定義がひとつのストーリにまとまる事が重要なことではありません。今のネットの世界で起きている様々な事象は決してバラバラにおきているのではなく、すべて関連していることを言いたかったのです。

 いろいろな資料から集めてきた情報を頭の中でマッシュアップ(?)してみました。今回のコラムは「風が吹けば桶屋が儲かる」の言葉遊びに近いですね。

携帯サイトに人を集めるには(後編) 2007年07月30日記述
携帯サイトに人を集めるには(中編) 2007年07月23日記述
携帯サイトに人を集めるには(前編) 2007年07月09日記述
Web2.0的発想でのマーケティングモデル(後編) 2007年06月18日記述
Web2.0的発想でのマーケティングモデル(前編) 2007年06月11日記述
ネットとリアルを融合させる新しい動き 2007年05月08日記述
ネットビジネス成功に向けての私の思うこと 2007年04月23日記述
ネットビジネスを始める方へ 2007年04月16日記述
ネット(仮想社会)とリアル(実物社会)の融合 2007年03月12日記述
Web2.0でいわれる進歩的性善説とは 2007年03月05日記述
検索キーワードの選び方 2007年02月26日記述
Webサイトの集中化戦略と分散化戦略 2007年02月12日記述
個性を大切にする時代とロングテール 2007年02月05日記述
Web2.0の7つの定義をひとつのストーリに 2007年01月29日記述
携帯ネットビジネスの話題あれこれ 2007年01月15日記述
Web2.0的発想による口コミの見える化 2006年12月25日記述
ブログで世の中が見える 2006年11月27日記述
Web2.0の落とし穴とWeb2.0への批判 2006年09月18日記述
Web2.0が消費者に与える影響 2006年09月11日記述
Web2.0の基礎知識 2006年09月04日記述
ネットショップをAIDASで考える 2006年08月06日記述
ブログを商売に役立てる 2006年06月19日記述
RSSの活用範囲が広がっている 2006年05月29日記述
イントラブログで「暗黙知」を「形式知」へ 2006年05月22日記述
Web2.0に絡んでくると思われる技術 2006年05月08日記述
Web2.0とは、そしてWeb2.0にからむ現象 2006年05月01日記述
ビジネスブログに潜むリスク 2006年03月20日記述
総務省の事例集で見るビジネスブログの特徴 2006年03月13日記述
CGMの普及を後押しするWeb2.0とフィード 2006年01月30日記述
ブログとSNSの性格の違い 2005年12月05日記述
ブログとSNS(ソーシャルネットワーキングサイト)2005年10月24日記述
ブログについて思うこと 2005年7月11日記述
実名でのネット活用促す総務省 2005年7月04日記述
RSSについて 2005年6月13日記述

2007年01月29日 宿澤直正


[事務所TOP] [コラム一覧へ]

Copyright (C) 2007 宿澤経営情報事務所