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2005年12月14日

コンサルタントの立場って

RFP作成を支援している会社出打合せをしたところ、「RFPをここまで作ってくださったのだから、そのまま開発までしてくれませんか?」といわれた。ここでITコンサルの立場というものを考えたが、そのありがたい話をそのまま受けられないのは、私に開発までする時間がないという物理的、個人的な理由以外にもっと大きな理由があると思う。

 それはユーザの主張を弁護するというものである。私がそのまま開発したり、私の仲間が開発してしまうと、知らず知らずのうちにベンダー側の理論になってしまう恐れがある。ベンダー側の理論が悪いというわけではなくソフトウェア開発においては、ユーザーとベンダーが協力し合って開発作業を進めていくものである。共同作業の中では、どうしても双方の立場が合致しない場合がある。その場合、特に開発が進行している時は、情報の非対称によってユーザー側の主張が通らない事が多い。そのため私がユーザー側として参加しているのである。

 私の仲間を紹介することは可能ではあるがユーザー側の立場を守るためには、やはり私とは関係のないベンダーに発注するのが正しいと思う。既存データを有効活用して経営判断のツールを作る開発なら、ユーザーの話を聞きながら直接、流動的に作りたいので喜んでするが、基幹システムの開発となると、ちゃんとしたシステム開発の流れを守るべきだと思う。

 このような話をしたら、ご理解いただけたようであるが、もっと早く、ITコンサルの立場をユーザに説明する事はとても大切な事だと感じた。

 今日はダブルヘッダーで、午前中も「コンサルタントが入って、何をしようとしているか」というコンサルタントの役割や会議に参加してくれているみんなの役割、そして最終的な目標を話してきた。

 日本はコンサルタントの位置づけが曖昧になっている気がする。コンサルタントとしてどのようなサービスを提供するのかは、当たり前のことだが、きちんと説明する事が重要であると思う。